居酒屋のワタミによる買収で不安の声もあるが…日本サブウェイ買収で克服できる「最大の弱点」
セルフオーダーからスマホでの事前オーダーに進化していけばこれまでは強みでも弱みでもあったサブウェイの注文方法は、主に強みだけに変わります。その意味ではよいタイミングでワタミはサブウェイの経営に参画したのだと考えられるのです。 ■理由2:日本市場のパートナーの必要性 日本サブウェイの歴史を見ると、実は当初の参入の方法も悪くはなかったと考えられます。1992年に日本に参入した当時は、日本サブウェイにはサントリーが出資してマスターフランチャイズ契約も締結していました。
そして当初、サブウェイはアメリカと同じメニュー展開をしていたのですが、サントリー側の提案で徐々にメニューは日本市場に適応したものに変わっていきます。たとえばパン生地には北海道産の小麦が使われ、「てりやきチキン」や「えびアボカド」のように日本人が好むメニューが開発されてきました。 このサントリーの経営参画が終ったのはアメリカ本社側の事情でした。当時、世界戦略として海外展開を現地パートナーに委ねる形から本社が一元管理をする方向へと転換をしたのです。この方針に沿って2016年にサントリーも契約満了に伴ってフランチャイズ契約を解消されたのです。
その後、2023年に創業者のフレッド・デルーカが死去したことにより、グローバルなサブウェイの経営権は創業家から投資ファンドへと移ります。そしてファンドが新たな戦略を考えた結果、やはり世界各国の市場はそれぞれの事情で経営したほうがいいと判断したのでしょう。 それで今回、新たに日本での戦略パートナーにワタミが選ばれたのですが、これは日本サブウェイにとっても業績を拡大するチャンスです。ふたたび日本市場を理解している企業が日本での展開を推し進める体制ができたのですから。
■理由3:ワタミの3つの強み さて、ここが一番重要な点ですが、ワタミはサブウェイの運営に関してどのような貢献ができるのでしょうか。大きな部分だけで3つの強みが考えられます。 まずシンプルにワタミの持つサプライチェーンによって食材に新たな価値を加えることができます。ワタミはワタミファームという直営農場を経営しているので、新鮮な有機野菜をメニューに加えることができるようになります。 もうひとつ即戦力的に期待ができるのが出店戦略です。アメリカのサブウェイ本社には実はもうひとつ別の弱点があると言われています。