元プロ指揮官が率いる東海大甲府。本音を語り合ったミーティングで結束深める
今大会、連覇を狙う東海大甲府は春の県大会8強でとどまったが、夏はシード校として出場する。 【動画】元プロ・仲澤広基新監督が率いる東海大甲府。プロ仕込みの打撃力で2年連続の聖地へ
課題を残した春
6月末、練習試合で都内に足を運んだ東海大甲府は2連勝して、夏に向けて弾みを付けた。この春から元プロ野球選手・仲澤広基氏が監督に就任。名将・村中秀人氏から受け継いだ新体制で初めて迎える夏を前に、主将・益岡潤平は「大会中も成長できるようにしたい」と現状に満足していない。実際に練習試合では「序盤には課題があります」と2連勝で終わった練習試合のなかにも、課題を見出している。残り期間はわずかだが、課題に向き合い続ける姿勢だ。 ただ一方で、「チームの状態は良い」と大会連覇へ上向きにあることを明かすと同時に、「1、2回戦で負けるようなチームだったところから冬場を経て、ここぞの集中力・爆発力や中盤以降の粘りが出てきたのは大きな成長です」と春先からの収穫を明かした。
たしかに秋季県大会では2回戦で帝京三に1対5で敗戦。いち早くオフシーズンに入り、長いトレーニング期間を過ごした。 トレーナーの指導も入ったおかげで、パワーとスピードがきちんと磨かれ、「ポテンシャルだけなら、全員先輩たちにも負けていない」と益岡主将は自信を持つほど充実の冬場を過ごした。 飛びにくいと噂された2024年導入の新基準バットに対しても、困惑することがほとんどなくアジャストした。順調に春季県大会へ準備が進んだと思われたが、準々決勝・日本航空の前に6対8で敗れ去り、ベスト8に終わった。 「冬場のトレーニングを通じて成長できたことに手ごたえはありました。けどそれを勘違いしてしまって、『勝てるだろう』って考えてしまい、集中しきれないまま戦ってしまいました」(益岡主将)
大会連覇へ「自分たちのやるべきことをやります」
夏の山梨大会連覇へ、シード権は死守したものの、思うような結果には至っていない。益岡主将のなかでも、「自分が主将として自覚をもって、自分が変わらないといけない」と考えて、無我夢中でチームを引っ張ってまとめようとしてきた。 でも、結果が伴わない。「自分だけが違う方向に行ったり、熱量が違ったりした」と益岡主将は反省をするが、チーム全体を見渡しても、自身のアピールに熱中してしまったと振り返る。 そこで益岡主将は、「本音で話し合えるようにしたい」ということから、ひとまず主力選手である長野凪斗と、2人だけのミーティングを開いた。