「車内で嘔吐」“忘年会シーズン”にタクシードライバーを悩ませるカスハラ問題! 進む対策、悪質客はもう乗れなくなる?
条例施行で変革の兆し
カスタマーハラスメント(カスハラ)は、サービス提供者に対して過度な要求や不当な行為をすることを指す。この問題は特にサービス業界で注目されていて、東京都でもカスハラ防止条例が施行されるなど、対応が進んでいる。 【画像】「えぇぇぇぇ!」これが「カスハラ客」の実態です!画像を見る!(計8枚) 多くの企業がこの問題に直面し、対策を強化しているが、 「タクシー業界」 も例外ではない。ドライバーが乗客と直接接することで、 ・暴言 ・暴力 ・料金支払いのトラブル など、他のサービス業とは異なる独自の課題が浮かび上がっており、業界全体でどのように対応していくかが注目されている。
タクシー業界でのカスハラ事例
タクシーに乗り込んで最初に 「取りあえず行って」 「まっすぐ」 とだけいう乗客や、ルートを確認しても「まかせる」といいながら、実際に走り始めると「何でそのルートなんだ」と怒り出す乗客への対応に苦しんでいる。さらに、「道を間違えた」「道路が混んでいた」といったいいがかりをつけて、 ・料金を減額させたりする ・支払いを拒んだりする 乗客もいる。 これはあくまで筆者(二階堂運人、物流ライター。現役タクシードライバー)の考えだが、“勝ち組”の傲慢(ごうまん)さや、処理しきれないストレスが原因かもしれない。 ・富裕層が住む地域(特に高層マンション) ・深夜帯 では、カスハラ客に遭遇する確率が高い。 最も困るのが泥酔客だ。カスハラの半分以上は泥酔客によるもので、会話が成立しないことが多く、理性を失っていることがほとんどだ。メディアでも泥酔客がドライバーに暴行を加えた記事をよく見かけるだろう。 そして、12月中旬の忘年会シーズンに特に遭遇するのが「嘔吐(おうと)」だ。これまではタクシードライバーが泣き寝入りすることが多かったが、日の丸交通(東京都文京区)では車内で嘔吐した乗客に対して、清掃費用と営業損失分として 「2万円」 を請求することになった。他のタクシー会社も同様の対応を検討し始めているかもしれない。酔っ払ってタクシーで帰ろうと安易に考えるのではなく、酔いをさましてから乗る方が賢明だろう。余分な出費を抑えるためにも、気をつけてほしい。