都政のDXに意気込みを示した東京都知事の明言は「自治体DX」に拍車をかけるか
「RPAとAIエージェントの連携が業務の自動化を促進する」(UiPath プロダクトマーケティング部 部長の夏目健氏) 米UiPathの日本法人UiPathの夏目氏は、同社が先頃開いた「2025年の自動化とAIのトレンド」レポートについての記者説明会の質疑応答で、同社がこれまで推進してきたRPA(ロボティックプロセスオートメーション)とAIエージェントの関係について聞いた筆者の質問に対して上記のように答えた。興味深い答えだったので明言として取り上げた。 夏目氏が説明したレポートの内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは夏目氏の発言に注目したい。 筆者は質疑応答で、「レポートの説明でAIエージェントのインパクトについては分かったが、UiPathがこれまで推進してきたRPAを中心としたオートメーションの技術とAIエージェントの関係は、これからどうなっていくのか。RPAは今後AIエージェントの部品となって吸収されていくのではないかとの見方もある。これはUiPathの存在そのものを問う話だとも見て取れるが、いかがか」と質問した。これに対し、夏目氏は次のように答えた。 「結論から言うと、UiPathのRPAをはじめとしたオートメーションプラットフォームが、さまざまなAIエージェントをさらに生かす管理基盤となる。RPAとAIエージェントの連携が業務の自動化を促進する」 冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。さらに、その意味について次のように説明した。 「AIエージェントがここにきて、さまざまな業務アプリケーションを扱うITベンダーから提供されているが、それらは基本的に自社製品を使いやすくするためのもので“行動範囲”が自社製品内に限られている。それではさまざまな業務がつながった形での自動化にはならない。UiPathのオートメーションプラットフォームは、そうした行動範囲が限られたAIエージェントをRPAなどと連携させて自動化を促進することができる。言い方を変えると、UiPathのオートメーション技術がさまざまなAIエージェントの“手足”となって、業務全体の自動化を進めることができるようになる。これをUiPathでは『Agentic automation』と呼んでいる。当社は今後、このエージェンティックオートメーションのソリューションを提供するベンダーとしてお役に立てるように尽力していきたい」 とはいえ、AIエージェントをめぐる市場はこれからますます激戦区になっていくのは間違いない。果たしてUiPathに勝算はあるのか。そう聞いたところ、夏目氏は次のように答えた。 「AIエージェントを生かすプラットフォームとして、当社がRPAなどで培ってきた技術が大きなアドバンテージになる」 ユーザーから見れば、RPAとAIエージェントの関係がどうなろうが、とにかく業務の自動化を進めて生産性を向上できればよいわけで、その意味からすると、これまで自動化で実績を上げてきたUiPathのオートメーションプラットフォームが進化すれば、多くのユーザーに受け入れられる可能性は高い。UiPathが新たなステージに進めるかどうか、正念場といえそうだ。