【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】前田将太 SGウイナーへマジック〝1〟
<21日・住之江ボート・5日目> 【ボート王国 九州・山口!】 シリーズ戦は、4人が予選突破の福岡支部勢が9Rに集結し、前田将太(36)=福岡・102期=と西山貴浩(37)=福岡・97期=が優出切符を独占。グランプリの2ndには一人も送り込めなかった福岡支部だが、全国最多のA1数を誇る最強支部としての面目を保った。 【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】トライアル2ndの最終得点順位 トップは毒島誠、定松勇樹が次点【表】
前田はこれがSGでは初の首位通過だったが、プレッシャーもどこ吹く風。「今回は自分がメインじゃないんで(笑)。グランプリの人たちが主役なんで、精神的にはすごく楽。緊張も全くしませんでしたね」。予選から強調していたあくまでも〝自然体〟のスタンスが、肩に力が入ることもなく本来の姿を水面で表現できている理由だ。 これは今年下半期の反省に基づいている。「秋口あたりから、来年のクラシックの出場権を取ろうと、柄にもなく気持ちを前面に出してレースしようとしたら、全く駄目だった。むしろ成績を落としてしまった。こういうスタンスは自分に合わないんだなと、今節に来る前に悟ったんですよ」 水の上だけでなく陸の上でも、いい意味でマイペースに徹した。自分の能力を引き出す方法を知ったのは、今後に向けても大きな糧になったのは間違いない。 これで「完全に諦めていた」と話すSGクラシックの出場権獲得が視野に入った。あとはシンプルに優勝を目指すだけだ。「やっぱり自分が目指すのはグランプリの18人。だからSGウイナーになるよりも、グランプリに出る可能性を上げるために来年のクラシックに出たい。地元ですからね」。くすぶり続けた今年を最後に最高の年に変えるためにも、人気に応えて逃げ切ってみせる。
その前田には及ばなかったが、西山も見事なレースぶりで2着。1周1M、2Mと全速戦の連発で優出切符を勝ち取ってみせた。 序盤は相当に低調な機力に四苦八苦。それでも最後まで諦めない姿勢が勝利の女神を振り向かせた。準優は「ペラにギアケースにキャブまで扱ったら、回り足と回ってからがやっと良くなった。今節の中では一番いい足だった」。グランプリの2ndに進めず、モチベーション的には「難しかった」というのは偽らざる本音だ。それでも腐ることなくレースに取り組んだことで、SG初Vのチャンスが巡ってきた。 優勝戦への意気込みは、「何もないです」とけむに巻くが本心は別。「来年につながるいいレースをしたいですね」。来年のSGは地元若松でのクラシックで開幕する。地元での大仕事へつなげるためにも、シャープに艇団を突き抜けてSGウイナーの称号を手に入れたい。