言い訳の2つのタイプ モチベーションが高いのはどちら?
言い訳の仕方でモチベーションが分かる
内的統制型の人は、物事の成否を決めるのは自分自身の能力や取り組み方だとみなす思考習慣を身に付けています。すなわち、自分が能力を十分に発揮できれば良い結果が出るはずだ、一生懸命に頑張ればきっと良い結果がついてくるはずだと考え、うまくいかないときも、十分に力が発揮できていないからだ、やり方をもっと工夫すれば何とかなるのではないかなどと考えるため、高いモチベーションを維持することができます。 そして、成功確率を高めるために、仕事に必要な知識を身に付けようと勉強をしたり、視野を広げるために幅広く情報収集をしたり、地頭を鍛えるため直接仕事に関係ない読書をしたりして、能力開発に励みます。 それに対して、外的統制型の人は、物事の成否を決めるのは状況や運や他人の力であって、自分にはどうすることもできない力が働いているとみなす思考習慣を身に付けています。そのためモチベーションは低く、能力開発もおろそかになりがちです。自分の頑張り次第で成功への道を切り開いていけるといった発想がなく、思うような成果が出ないとすぐに諦めてしまいがちです。 ゆえに、どのような言い訳が多いかでモチベーションが高い人物かどうかを見分けることができます。 思うような成果が出ないとき、不景気だからとか、ライバル社の攻勢がすさまじかったとか、相手方の担当者との相性が悪かったなどと、外的要因を持ち出して言い訳する人物は、概してモチベーションが低いとみなしてよいでしょう。一方、やり方を間違えたとか準備不足だったというように内的要因を持ち出して言い訳をする人物は、モチベーションが高いとみなすことができます。 日経ビジネス人文庫『ビジネス心理学大全』 心理学は、最強のビジネススキルだ! マズロー、アドラーからカーネマンまで。モチベーションから人間関係まで。すべてが1冊で読める。理屈だけではなかなか動かなかった仕事が、これで動き出す。 榎本博明著/日本経済新聞出版/1100円(税込み)