後席もいいけど、走りも絶品! 〈レクサス〉LS500h エグゼクティブ アドバンスドドライブ
なんだかんだ言っても気になるビッグセダン。最近では原点回帰なのか、ネオクラ流行りの影響か、20代など若い世代にもなんとな~くセダン人気が再燃している感も。そもそも3ボックスは荷室の気密性が高いし、クルマの造り的に走りだってカッチリしている。だけど、オーセンティックすぎて逆に、どれを選んだらイイのかが悩みのタネ……。となれば、コレはどう? 〈レクサス〉のフラッグシップセダン LS500h、そのなかでも最上級のADASが装備されたLS500h エグゼクティブ アドバンスドドライブを試乗してみた。
実はコチラのモデル、昨年秋に商品改良を行っている。「え? 見た目は変わってないけど?」の指摘は鋭い。実は内外装ともに装備の変更は“ほぼ”ナシ。じゃ、どこが変わったかというとズバリ“アシ周り”なのだ。 とその前に、改めてデザインなどをおさらい。全長5235㎜のボディはまさに威風堂々。全幅1900㎜、全高1460㎜(AWD)と、さすがフラッグシップの出で立ちだ。このサイズ感に世界中のどのブランドでも既視感のない有機的で流麗なラインを落とし込み、同社のアイコンである大きなスピンドルグリルを大開口に備えている。
特に美しいのが、実はその長いボディを生かしたサイドビュー。海洋を切り拓くクジラのように、なめらかで伸びやかなラインにうっとり。 インテリアもまさに、贅を尽くされている。特に“エグゼクティブ”はその名のとおり、ショーファー需要があるだけに、運転席の豪華さはもちろん、まるで飛行機のビジネスクラス並みにリクライニングする後部座席も素晴らしい。世界的にもすでに稀有なV6 3.5ℓエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインだから運転したいのはやまやまだけど、うん、後部座席な人生も羨ましい。
しかしですよ。やっぱりLS500hには運転席に座ってもらいたいのだ。冒頭に述べたアシ周りの変更だが、コレがなかなかにマニアック。実はこれまで、メンテナンス性の観点もあり〈レクサス〉はホイールとボディの締結にハブナット構造というのを採用してきた。外から見るとナットが見えるのがソレで、これだと金属の締結点が増えてしまうため、微細なガタツキなどが出てしまう。これを去年の刷新でハブボルト方式に変更。タイヤ交換などの際にリフトアップが必須などの手間は増えるのだけど、これにすることでナットの見えない見た目もスッキリ、かつ、走りも格段によくなった。路面からのインフォメーションをダイレクトに受け止める、金属同時の共振が抑えられたと思ってほしい。 さらに超高級センサーであるLiDAR(ライダー)が備わった“アドバンスドドライブ”仕様では、レベル2の自動運転がかなりの精度で実現されているから、もう、運転がラクなのなんのって! 走りよし、和風のおもてなしよし、で、〈レクサス〉の世界観に魅了されてほしい!
気になるスペックは?
★DATA 〈レクサス〉LS500h エグゼクティブ アドバンスドドライブ ●全長×全幅×全高:5235×1900×1460㎜ ●車両重量:2400㎏ ●ホイールベース:3125㎜ ●エンジン:3.5ℓV型6気筒+ハイブリッドシステム ●エンジン最高出力:220kW(299PS)/6600rpm ●エンジン最大トルク:356N・m(36.3kgm)/5100rpm ●モーター最高出力:132kW(180PS) ●モーター最大トルク:300N・m(30.6kgm) ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●駆動方式:四輪駆動 ●税込み価格:1799万円
文=今井優杏