ロシア大統領選、支持広げた「反戦候補」を認めず “常とう手段”か…専門家「プーチン氏の思うように結果を調整することも」
日テレNEWS NNN
3月に開票されるロシアの大統領選挙を巡り、唯一「侵攻反対」を掲げていたナジェージュジンさんについて、選挙管理委員会が立候補を認めないと発表しました。専門家によると、選管はプーチン政権と密接な関係です。ウクライナ侵攻への影響を考えます。
■勢いのあった立候補予定者に何が?
有働由美子キャスター 「集合住宅から炎と黒煙が上がるのは、ウクライナの首都キーウです。7日も複数の都市でロシア軍による大規模な攻撃があり、少なくとも5人が死亡しています。ウクライナ侵攻に終わりが見えない中、3月17日に開票されるのがロシアの大統領選挙です」 「プーチン大統領と戦う立候補予定者として唯一『侵攻反対』を掲げていたのがナジェージュジンさん。野党の公認を受け、ロシア軍に動員された兵士の家族らから支持されています」 「候補者の登録に必要な10万人分の署名を集め、あるインターネット調査では支持率約32%(プーチン大統領は約58%)と勢いを見せていましたが、日本時間8日夜、選挙管理委員会が立候補を認めないと発表しました。何が起きているのでしょうか?」
■プーチン大統領の目標得票率は80%か
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「選挙管理委員会は、集めた署名の中に既に亡くなっていた人の名前があるなど、不備があったと主張しています。ただ、その後会見を開いたナジェージュジンさんは、短期間で正確なチェックはできないだろうとして、『最高裁に訴える』と怒りの声を上げています」 「前回の大統領選でのプーチン大統領の得票率は約77%。今回、ウクライナ侵攻を続ける支持を得たとアピールするためには、プーチン大統領は前回よりも多い80%の得票率を目標にしているだろうとみられています」 「それだけに、インターネット調査とはいえ、約 32%もの支持を集めているナジェージュジンさんが目障りな存在になってきたのは確かなようです」
■女性ジャーナリストの届け出も却下
有働キャスター 「何か裏があるのではないか、と思ってしまいますが…」 小栗委員長 「防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は、こうした動きはプーチン政権の常とう手段だと指摘します。ナジェージュジンさんの前にも、反戦を掲げる女性のジャーナリストが立候補を届け出ていましたが、同じように書類の不備を理由に却下されました」 「また、プーチン大統領が選挙管理委員会の委員長の仕事ぶりを褒めたたえ、勲章を与えた場面がありました。兵頭さんによると、公正中立なはずの選管とプーチン政権は密接な関係にあり、選挙結果をプーチン大統領の思うように調整することもあり得るといいます」