【中京記念】小倉と中距離適性が重要 舞台巧者エスコーラやエルトンバローズが好走馬のイメージにピッタリ
マイル戦で流れに乗れなかった馬が狙い目
重賞勝ち馬はエピファニー、エルトンバローズ、セルバーグなどがいる。このうち中距離を勝ったのはエピファニー、エルトンバローズ。なかでもエピファニーは同舞台の小倉大賞典勝ち馬だ。GⅠ大敗後、得意舞台で巻き返すか。 コース傾向をつかむデータとして前走距離を挙げる。前走1800m未満【6-3-5-32】勝率13.0%、複勝率30.4%で、同距離【5-8-2-47】勝率8.1%、複勝率24.2%、1800m超の短縮【4-4-8-52】勝率5.9%、複勝率23.5%をリードする。同距離、短縮は2、3着が目立つが、延長は勝ち切る。 夏の小倉は基本、スピード優先。これがデータに出ている。施行距離こそ違えどサマーマイルシリーズらしく、前走1600mは【5-3-5-23】勝率13.9%、複勝率36.1%。1800mに適性があり、前走1600mというプロフィールがよさそうだ。安田記念8着エルトンバローズ、米子S9着エスコーラはイメージに近いか。 前走1600m組の着順別成績は、3着以内【3-0-2-2】と好走は当然として、6~9着【1-0-2-6】勝率11.1%、複勝率33.3%、10着~【1-3-1-10】勝率6.7%、複勝率33.3%と敗退からの巻き返しもあるので注意だ。 上記2頭への注目はさらに深まる。6着以下だった【2-3-3-16】のうち、後方から進めた馬は【1-3-1-5】勝率10.0%、複勝率50.0%。マイル戦の流れに乗れずに敗れた馬が1800mでリズムを取り戻すというシナリオがよさそうだ。エスコーラ、エルトンバローズは中団からの競馬だった。これもイメージに合う。 エスコーラは2年前、小倉芝1800m3勝クラスの不知火Sで好位から押し切った。晩成タイプが多いサロミナの仔で、6歳でもキャリアはわずか8戦。活力は十分ある。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳