11/3開催「全日本大学駅伝」、國學院大、駒大、青学大…3強が有力視される中、発表された“区間配置”から大胆予想
(スポーツライター:酒井 政人) ■ V候補の一番手は出雲を制した國學院大 11月3日、伊勢路を舞台に開催される全日本大学駅伝。その「メンバーエントリー」が11月1日に発表された。当日変更で区間登録選手と補員登録選手を3人まで交代できるが、各校の戦略が見えてきた。 【写真】2024年10月14日、出雲駅伝で優勝し、仲間に胴上げされる國學院大のアンカー、平林清澄 今大会は出雲駅伝で終盤まで激しく競り合った國學院大、駒大、青学大が“3強”という声が強い。各校は勝つためにどのようなストーリーを描いているのか。当日のオーダーを予想しながら、勝負のポイントを探っていきたい。 まずは出雲に続いて2冠目を目指す國學院大だ。 1区嘉数純平(3年)、2区青木瑠郁(3年)、3区辻原輝(2年)、4区鎌田匠馬(3年)、5区野中恒亨(2年)、6区山本歩夢(4年)、7区田中愛睦(2年)、8区岡村享一(1年) 補員/平林清澄(4年)、 上原琉翔(3年)、高山豪起(3年)、後村光星(2年)、飯國新太(1年) 全日本は登録選手の10000m上位8人平均タイムでトップ(28分16秒60)。前回3位のメンバー7人が残っている。 注目はマラソン学生記録保持者の平林清澄(4年)が入る区間だ。全日本では3年連続で7区を担い、前回は区間賞を獲得している。8区の起用も考えられるが、確実に勝負するなら7区に入れるだろう。 もうひとつのロング区間は上原琉翔(3年)と高山豪起(3年)が候補。他区間では前回1区6位の後村光星(2年)を起用する可能性もありそうだ。 主将・平林は駒大・篠原倖太朗(4年)と青学大・太田蒼生(4年)に36秒差をつけた出雲6区の走りが強烈だった。7区出走なら40~50秒以上のリードを確保できれば初優勝が見えてくる。8区の場合は30~40秒差なら逆転が十分可能だ。いずれにしても“絶対エース”で勝利を決定づけたい。
■ 駒大と青学大が描く“勝利のセオリー” 5連覇を目指す駒大は前回、一度も首位を譲らずに4連覇を達成した。しかし、2区で区間賞・区間新の快走で“独走V”の流れを呼び込んだ佐藤圭汰(3年)が登録から外れている。 1区島子公佑(2年)、2区金谷紘大(4年)、 3区伊藤蒼唯(3年)、4区谷中晴(1年)、 5区村上響(2年)、 6区安原海晴(2年)、 7区森重清龍(3年)、 8区山川拓馬(3年) 補員/ 篠原倖太朗(4年)、吉本真啓(4年)、帰山侑大(3年)、山口真玄(3年)、桑田駿介(1年) 近年、駒大はエースを7区に配置してきた。順当なら10000mで27分35秒05(日本人学生歴代5位)を持つ主将・篠原倖太朗(4年)が7区に入るだろう。アンカーの山川拓馬(3年)は前回も8区で区間賞を獲得しており、終盤のロング区間は超強力だ。 2区は出雲駅伝1区6位の桑田駿介(1年)が有力。4区に登録された谷中晴(1年)は“もうひとつの出雲駅伝”と呼ばれる出雲市陸協記録会の5000mで13分49秒71の自己新でトップを飾った選手だ。5連覇に向けてはルーキーたちの走りがカギを握りそうだ。 出雲駅伝は佐藤圭汰と篠原抜きで、5区終了時でトップの國學院大と4秒差につけた。伊勢路で出雲の再現ができると、終盤2区間で面白い戦いができるだろう。國學院大を倒すには、平林より先に藤色のタスキをつなぎたい。 青学大は出雲1区区間賞で5000m13分18秒51(日本人学生歴代3位)の鶴川正也(4年)が2区、5000mで13分28秒78を持つルーキー折田壮太が3区に入った。一方で前回2区2位の黒田朝日(3年)と同7区5位の太田蒼生(4年)が補員登録となった。 1区宇田川瞬矢(3年)、2区鶴川正也(4年)、 3区折田壮太(1年)、4区黒田然(1年)、 5区田中悠登(4年)、6区白石光星(4年)、7区若林宏樹(4年)、8区塩出翔太(3年) 補員/太田蒼生(4年)、野村昭夢(4年)、黒田朝日(3年)、平松享祐(2年)、安島莉玖(1年) おそらく箱根2区で区間賞を獲得した黒田朝日を7区に入れて、ライバル校との“エース対決”に備えるかたちになるだろう。箱根駅伝3区で爆走した太田は8区もしくは、後半のポイント区間か。 國學院大と駒大のオーダーを考えると、1区は大差がなく、2区鶴川で青学大が前に出ると予想する。そのまま突っ走り、エース黒田でライバル校を蹴散らしたい。