「総理、また散髪かよ」密着記者も驚く2週に1回ペース 岸田首相は歴代で最も床屋好き?一体なぜ?
岸田文雄首相は、戦後の首相の中で「最も散髪好きな首相」かもしれない。実に2週間に1回のペースで理容室を訪れる。2時間ほど滞在することが多い。2021年10月の首相就任以降、このルーティンが乱れたのは6回だけだ。多忙な中で隙間時間を見つけ、このペースを保ってきた。なぜこれほどまでに足しげく通うのか。店選びの経緯や、歴代首相の散髪事情も合わせて分析すると、岸田首相の散髪好きの理由が浮かんできた。(共同通信=白鳥喬太郎) 【写真】岸田首相、「増税クソメガネ」に苦笑 「名前が進化したとのことだが、承知していない」
▽首相在任2年4カ月間に通い詰めること55回 共同通信には「首相番」という記者がいる。首相に一日中密着して一挙手一投足を追い、日々「首相動静」をまとめるのが日課だ。岸田首相の就任から今年1月末までの2年4カ月間を振り返ってみると、理容室を訪れて散髪した回数は実に55回に上る。おおむね週末か祝日。2022年は大みそかに散髪している。 55回のうち8割を占める行きつけは、JR神田駅近くの理容室だ。店のホームページによると、基本のコースは、カットにシェービング、肩のマッサージなどが含まれ5500円という。時折、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ内にある高級理容室を利用することもある。 ▽政界の重鎮から「何となく男前」と持ち上げられて この頻度に何か訳はあるのだろうか。実は、岸田首相は過去に雑誌のインタビューで、その理由を説明している。それは「くせ毛」だ。伸びるとまとまりにくく、髪形を整えるのに苦労するという。
国会で予算委員会が開かれる時など、未明・早朝から秘書官を交えた勉強会を開くことも珍しくない。朝、髪に手を入れる時間も惜しいはず。すぐに外出できる髪形の方が、気が楽だと思われる。だから理容室であらかじめ整えておく。 加えて、首相という立場は常時、人目に触れる存在でもある。閣議や国会、自民党会合への出席、海外要人との会談だけでなく、政府の会議に出たり、政策提言を渡されたりする機会はしょっちゅうだ。報道各社のインタビューを受けることも多く、新聞やテレビで首相を見かけない日はないと言ってもいいくらいだ。 岸田政権が発足して間もない頃、安倍晋三元首相はある派閥パーティーであいさつし、こう持ち上げたことがある。「初当選同期で一番男前なのは岸田文雄、一番性格が良いのは安倍晋三と言われていた」 麻生太郎自民党副総裁は岸田首相の就任当日、自民党議員のパーティーで「まだ首相としての実績はないが、何となく男前っぽく見える顔がいい」などと「麻生節」を披露した。