復興の道 一歩ずつ…「みちのく潮風トレイル」振り返る
食や遺構 充実の旅路…宮城 6月
東北地方が梅雨入りした6月23日、約300人の参加者は傘を差し、名取川の堤防から見える景色を撮影したり、かわまちてらす閖上(名取市)などでグルメを堪能したりして徒歩の旅を楽しんだ。
長距離コースは、伊達政宗ゆかりの「貞山運河」の専用道を進む。ゴール近くには、校舎に津波の痕跡が残る震災遺構「仙台市立荒浜小学校」があり、防災・減災の大切さを今も伝える。
母親と10キロを完歩した名取市の小学3年の男児は「雨が強くて大変だったけど、完歩できてめっちゃうれしい」。コース近くのゆりあげ港朝市では、朝市の商品券が当たる外れなしの抽選会も行われた。
短距離コースには、東北大で学ぶインドネシア人留学生2人も参加。「地元の人々が復興のために注いできた努力の大きさが分かった」「自然の美しさを楽しむとともに、防災も学べる」などと語り合っていた。
街並み、自然 魅力満載…福島 11月
晴天に恵まれた11月3日、県内外から376人が参加し、相馬地方の伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」で出陣を命じるほら貝が鳴り響く中でスタートを切った。
長距離コースでは、相馬市の松川浦漁港や、魚介類を販売する「浜の駅 松川浦」など漁師町の街並みを見ながら歩いた。松川浦大橋からは松川浦や太平洋の景色を眺め、潮風を感じながら「鵜ノ尾岬夕陽の広場」に着いた。
大阪府吹田市の男性(73)は「自然がすばらしい。山と海どちらの景色も楽しめた。また東北に来たい」と満足した様子で話した。
短距離コースのゴール地点となった松川浦環境公園。津波で被災した木材によるチェーンソーアートや色とりどりの花が、参加者を出迎えた。相馬市民会館の一角には、市観光協会が松川浦産あおさを使ったみそ汁を400食用意。ゴールした参加者はおいしそうに味わっていた。
ポケモン 会場盛り上げ
各会場では、人気ゲーム「ポケットモンスター」のピカチュウたちが出迎えた。参加者は完歩後、ポケモンがデザインされたオリジナル完歩証を受け取ったほか、「推しポケモン」との記念撮影を楽しんだ。