【更年期、私の場合/読者編⑦】英里さん(51歳・主婦)の場合。寝汗と手のこわばり。そして、イライラが募り…。子宮内膜症を治療しながら更年期不調をケア
30代に判明した子宮内膜症とずっと付き合ってきた英里さん。そのため子宮内膜症治療との兼ね合いで、更年期不調の治療法を決めてきた。100人いれば100通りといわれる更年期の不調。OurAge読者の皆さんの更年期体験を聞いてみた。
寝汗と手のこわばりから始まった更年期
◆英里さん(仮名) 51歳・主婦 【HISTORY】 ■32歳:年々生理痛がひどくなり、婦人科を受診すると左の卵巣嚢腫が判明し、摘出手術 ■36歳:子宮内膜症が判明し、低用量ピルの服用を開始。生理痛は改善せず ■44歳:右の卵巣が大きくなってきたため、低用量ピルから子宮内膜症の治療薬に切り替える ■47歳:寝汗と手のこわばりを感じ、更年期外来を受診。週1回のプラセンタ注射を開始 ■50歳:子宮内膜症の治療薬の服用をやめ、漢方薬とHRTを開始 「47歳の夏に寝汗をかくようになって、最初は暑さのせいだと思っていたら秋冬になっても暑くて眠れなくて…。ネットで検索したら更年期症状のひとつだとわかり、家から通える更年期外来を受診しました。そろそろ更年期かも?という予感はあったけれど、まさか寝汗が症状だとは思わなかったので、早いうちからもう少し更年期について調べておけばよかったなと思います」 寝汗と同時に現れたのが手のこわばり。フライパンで炒め物をしたり、1.5lのペットボトルを持ったりしたときに痛みを感じるようになった。 「治療というより、湿布やテーピング、何かを持つときは気をつけるといった対処法しかないそうです。だからちょっと重いものを持つときは怖いなと感じるし、痛みが強くなったり、続くようになったりしたらどうしようという不安はありますね」
バランスを見ながら、子宮内膜症と更年期不調を治療
更年期外来を受診したものの、英里さんは子宮内膜症の治療薬を服用していたためHRT(ホルモン補充療法)との併用が難しく、まずは週1回のプラセンタ注射からスタート。 「打った翌日に、ふくらはぎや体全体が軽くなった気がして『私は疲れていたんだな』と自覚できました。2~3カ月続けるうちに、気づいたら寝汗もおさまっていましたね。ただ、ホットフラッシュやイライラがひどくなってきたので、婦人科の医師と相談して更年期症状の治療に向けて子宮内膜症の治療薬を一度やめたんですが、やはり生理痛がひどくて…。そこで、今度は子宮内膜症の治療薬の量を半分に減らして、1年後に再度服薬をやめてみたら出血量が減り、生理痛も許容範囲に。更年期症状の治療を始めることにしました」 最初は漢方薬を飲み始めるもなかなかホットフラッシュが改善されず、パッチタイプのHRTをスタート。ところが、1~2カ月すると副作用の不正出血が続くようになり、出血のわずらわしさからパッチを半量に減らしたそう。 「出血は減りましたが、薬の量を減らした分、効果も半減してイライラがひどくなってしまって。本当にちょっとしたことでイライラしてしまう自分がしんどくて、副作用とイライラ改善のどちらを取るか悩んだ結果、パッチを元のサイズに戻しました。それからはだいぶ落ち着いています。 また、私が通院しているクリニックでは血液検査の結果をもとに栄養士さんに栄養相談できるんですが、痩せぎみで貧血だったこともあって試しに相談してみたら、さまざまなアドバイスをいただけて。おかげで適正体重になれました。今は『自分はしっかり栄養をとれている』という安心感も生まれています」