海外移住組の富裕層が資産形成に活用する「現地の生命保険」のスゴさ…日本の生命保険とは比較にならない、圧倒的な収益性の実態〈香港編〉【国際弁護士が解説】
「死亡保障重視」の商品と、「貯蓄重視」の商品
小峰:日本で生命保険の商品を大きく分類すると、「掛け捨て」か「終身保険」という分類になると思います。香港では、商品の性格で大きく分類するとどうなりますか? 菊池:香港では「死亡保障重視タイプ」と「貯蓄重視タイプ」に分類するのが普通です。香港にも掛け捨てタイプはありますが、終身保険タイプがお得なので、あえて掛け捨てタイプを購入する方は多くないでしょう。
日本と香港の終身保険を比較したら…「ものすごい差」に驚愕
小峰:終身保険がお得ということですが、日本の一般的な終身保険と比較するといかがでしょうか? 菊池:条件を揃えるため、40歳男性(非喫煙者)が、支払年数5年間で支払う保険料の合計が約1,600万円の保険に加入した場合の比較をしてみましょう。図表1と2を見てください※。 ※ 日本の保険の保険料は16,433,500円、香港の保険の保険料は100,172米ドル=約16,027,520円。1米ドル=160円で計算。 小峰:5年間で支払う保険料は約1,600万円で同じなのに、死亡保障額は、日本が2,300万円に対して香港が3,856万円ですから、約67%も保障額が多いのですね。 菊池:さらに、香港の保険商品の特徴といえるのは、死亡保障額自体が、契約から年数が経つにつれて増えていくことです。日本だと、死亡保障額2,300万円の保険の場合、契約してすぐに亡くなっても、契約してから40年経って亡くなっても、死亡時に受け取れるのは2,300万円です。しかし、香港の場合、死亡が契約から40年後の場合、死亡保障額は9,700万円以上になります。 小峰:「死亡保障額は何年後に亡くなっても同じ」という仕組みを自明と思っていました。しかし考えてみれば、保険会社が40年間運用しているなら、それだけ運用益を得られるわけで、死亡保障額も増えていくのが当然なんですね。 菊池:解約返戻金も見てください(図表3、4参照)。解約返戻金というのは、契約者が存命中に保険を解約した場合に契約者に支払われるお金です。この解約返戻金も、日本の生命保険と比べてかなり多いです。40歳で加入して35年後ですと、日本の生命保険の解約返戻金が約2,100万円のところ、香港の生命保険の解約返戻金は約7,600万円ですから、3.5倍以上になります。 小峰:死亡保障重視型の保険に入っていても、老後、その保険を解約して、老後の暮らしに充てて優雅な老後を送るのによさそうですね。