大阪・関西万博のパビリオンで展示される「地球のみんなが幸せになる未来のおかし」の審査会を開催
服部氏は「お菓子作りを経験している者からしたら、作る時は1グラムの材料で味がまったく変わる。子どもたちはそれをどこまで分かっているかといえば、きっと分かっていないと思う。その分かっていない部分を我々が、逆に彼らの気持ちを考えたうえで作り上げる、模索してあげることが望ましいんだろうなと(思った)。子どもたちから見れば“それは私が考えたものじゃない”と言われるかもしれないが、それでも我々は何らかの形で協力したいと思いながら作品を見ていました」などと作り手の側の視点も交えながらの選考であったことを明かした。 鎧塚氏は「ドラえもんのような発想のものもたくさんあった。あと、中国の人が多かったように思う。社会的な問題に取り組んでいる方などもいましたね。子どもらしい発想で、大きいキャンディーがほしい!などそのままのメッセージもありました。そういうたくさんのアイデアの中で今回選ぶのは難しかったですね」とさまざまな表現方法が入り混じる中での選考の難しさを口にした。
佐々木さんは「2児の母をしているのですが、お休みの日には長男の“ママ、お菓子を作ろう”という一声で一緒にお菓子作りをしています。子どもにとってお菓子は大事なもので、心を豊かにするんだなと思いながらいつも作っています。今回の子どもたちのアイデアを見て、絶対に大人では考えられないようなアイデアがたくさん詰まっているなと感じました。そして小学生ながらに環境のことを考えていたり、“元気じゃない子を明るくする”というような前向きなメッセージなどが書かれていたり、すごく胸に突き刺さりました。こういった子どもたちのアイデアを大人たちが実現できれば素晴らしいことだなと思いました」などと母親の視点で子どもたちのアイデアに感動。
森本さんは「応募作をどれも面白く拝見しました。私も1児の母ではありますが、お菓子を前にすると母というよりは永遠に子どもになってしまうというか(笑)。理屈ではなく心が躍る、ワクワクする。小山さんの“心が満腹になる”という言葉はすごく素敵だなと思いました。生きるために直接的に必要があることではないですが、こういう存在が私たちの希望になる感じがしています。現実的というより、世界に向けて発表できるこの機会に思い切り自由に夢を描いてくれている作品を応援したいなと思っています」と子どもたちの自由な発想に心を躍らされた様子。 平野氏は「今回は日本だけではなく海外からも応募がたくさんあり、ワクワク しながら見させていただいた。子どもたちのアイデアを見ながら、お菓子は楽しい、うれしいという前向きな気持ちになれるものであり、誰かと一緒に食べるとその時間がより楽しくなったり、よりおいしくなったり、仲良くなったりできる不思議な力を持った食べ物だと改めて感じた。そのような観点を大事にして審査をさせていただきたい」とお菓子メーカーならではの言葉を述べた。 今回は国内から199通、海外から193通の作品が集まった。 審査では「製品にできそう」「形にするのは難しいが発想が斬新」「食べられないが、展示物として面白い」「子どもらしくてかわいい」「とにかく不思議」「大人にはできない発想」などとさまざまな視点でのコメントが飛び交った。 最後に小山氏は「見ているだけでこちらも幸せになり、お菓子を通して幸せを考えるといういい機会になった。この審査を通して思ったことを来場者の方にも伝えたい」と語った。