トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパンDAY2の走行を終えて勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタ)は総合4番手につけたが、勝田は「今の順位は悪くない」と語った。 【ギャラリー】WRCラリージャパン DAY2 今年も序盤から荒れた展開となったラリージャパン。勝田はDAY2最初のステージとなった伊勢神トンネルSS(SS2)で左リヤタイヤがスローパンクチャーを起こす不運に見舞われ、トップから1分程度のタイムロスを強いられた。 また午後のステージで勝田は降雨のリスクを考えソフトタイヤを選択したが、その読みが外れ、満足の行くアタックを決めることができなかった。 しかし勝田はそれでも、DAY2を締めくくる岡崎スーパーSSで2度のステージ優勝を飾った。それにより勝田は総合3番手のアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組(M-スポーツ・フォード)までわずか0.1秒差というところまで詰め寄った。 DAY2では、勝田と同じくセバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタ)がパンクを喫した他、ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組(ヒョンデ)にターボ系統と見られるトラブルが発生。アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン組(ヒョンデ)がクラッシュによりデイリタイアを強いられた。 そうしたライバルの不運にも助けられた側面もあるものの、勝田はDAY3以降に向けて悪くないポジションにつけることができたと振り返った。 「朝のパンクから始まったことでどうなるかと思いました。僕だけじゃなく、セブもパンクしてしまったので厳しい状況になったのは間違いありませんでした。しかしその後もライバルチームに色々なことが起きて、簡単な1日ではありませんでした」 勝田はDAY2を終えてそう語った。 「全体をひっくるめて言えば、3番手まで0.1秒差というところまで戻って来ることができたというのは、始まり方からしたら良かったという部分があります」 「もちろん自分自身が求めている場所ではありませんが、起きてしまったことを考えても今の順位は悪くないと思います」 「とにかく明日ですね。まだ長いですし、自分も含めまだ何が起こるか分かりません。僕だけではなくチーム全体を通して、取りこぼしのない戦い方をしていきたいです」 マシン自体も納得のいくフィーリングではなかったという勝田。コンサバに走ったDAY2で仮に攻めた走りをしていたとしても、望み通りにはならなかったはずだと指摘した。 「昨日からちょっと試した部分もありましたが、まだまだ思い通りになっていない部分がたくさんありました」と勝田は言う。 「今日も仮にプッシュしていったとしても、多分思う感じには走れなかったような気もします。そこは明日に向けて改善していかなければいけないと思っています」 そしてトヨタとしてはマニュファクチャラーズタイトルでヒョンデを追う展開であり、DAY2を終えた時点ではオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデ)がエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ)に20秒差をつけるという状況。シーズン最終戦を母国で迎え、ファンの応援を力にチームとして巻き返したいと勝田は語った。 「朝はこういう状況から始まったので失望するような状況でした。しかし次のステージに向かう途中に、去年もそうでしたが、本当に沢山の方が寒い中応援してくれて、それを見ると励みにもなりますし、ここで諦められないという思いに繋がりました」と勝田は言う。 「本当にありがたく思っていますし、僕だけでなくセブやエルフィンも同じように思っていると思います」 「とにかくチームの全ドライバーができる限りの仕事をして取り返せるように頑張りたいです」
滑川 寛