岩の間をくぐり抜けて突き進む! 名所盛り沢山の六甲山地「荒地山」岩巡り登山を堪能
街からすぐのウラヤマ・六甲山でも、とくにアクセスがいい芦屋のウラヤマにある荒地山。城山から岩梯子を目指した【プチっとクライミング気分で岩巡り! 六甲山地「荒地山」を登る】に続く後編です。岩梯子を登ってボルダーエリアに突入し、しばし岩巡りを楽しんでみます。 【写真】荒地山の岩巡登山の魅力をじっくり見る(全8枚)
スリリングな岩梯子の次は謎めいた岩穴くぐりへ
岩梯子の上には、「七右衛門岩」と呼ばれる岩穴があります。わりとせまい隙間を通らないといけないため、大柄な人はきついかも……。 バックパックも大きいものは背負ったままでは通れません。震災の前までは、岩梯子の上の、右側に七右衛門岩があったのですが、地震で崩れて通れなくなり、左側にあった岩穴が新七右衛門岩と呼ばれるようになりました。いつしか、旧・七右衛門岩のことは忘れられ、こちらを七右衛門岩と呼ぶ人の方が多くなったかもしれません。 ところで、この岩には伝説があります。六甲山中で悪事を働くと、荒地山に迷い込んで神罰が下るとされていたそうです。元々は真面目な働き者であった七右衛門という若者が、兄のように慕っていた人に裏切られたことからすさんだ暮らしをするようになり、村から姿をくらましてしまいました。やがて、山中で追いはぎが出るという噂が広まり、探しに来た村人がこの岩穴で頭から血を流して死んでいる七右衛門を見つけたそうです。なんだか切ないお話……。 今回、筆者は新しく買ったフットウェアのテストも目的のひとつにしていて、岩場を登ってみたかったのです。地元芦屋川にある「スカイハイマウンテンワークス」というアウトドアショップのオーナーが開発したサンダル「サーチン・ヒップウォーク」。 裸足感覚で地面をとらえられる、極薄のソールが特徴で、トレイルランナーやスクランブリングを楽しむ人たちの間で話題になっています。元々ベアフット系のシューズをメインに履いているので、この薄さでもとくに違和感なく歩けました。 岩場でのフリクションも抜群によくて、小さなスタンスに立ち込む「エッジング」はさすがに無理ですが、面でフリクションを効かせる「スメアリング」的な足使いにはバッチリ。花崗岩の山である六甲山で遊ぶのに最適なギアだと確信しました。