ブルース・リーを知る男・倉田保昭が悪役として躍動する『帰って来たドラゴン』。日本のカンフー・マスターにくぎ付け
◆当時の香港映画黄金時代を味わえる貴重な作品 倉田さんは今回の『帰って来たドラゴン』50周年記念のPVで、当時と同じような跳躍キックを披露されていますが、50年経ってほとんど同じ高さと角度で体が動くことって、驚異的だと思います。 カンフーのブームが去ってからも体を鍛え続け、後輩を育てながら活躍を続けてきたのでしょう。先日お亡くなりになって残念でしたが、千葉真一さんとも仲がよろしかったよう。私は一時期同じ事務所にいて、何回かお話したのですが、最後の頃は北海道にアクションの教育を通して若者を育てる学校を作れないか奔走しておいででした。そんな千葉さんと親しかった倉田さんも、後輩の育成に熱い「漢気」満ちた方なのでは? 「なのでは?」と書いたのは、役者としての経歴以外は待ったインターネットに上がっていないから。ゴシップやスキャンダルを利用して有名になってなんぼという世界の中、「自分は良質なカンフー映画を作りたいだけ、鍛え込んだ技を見てもらう以外は必要ない」という彼の強い決意と美意識を感じ、ますます倉田氏のファンになりました。結婚はされてお子さんもいるようですが。ご家族は幸せなんだろうなと想像します。 映画を何回か見直しましたが、見直すほどに味わい深く、古さも含めて当時の香港映画黄金時代を味わえる貴重な作品。女子の皆さんには見慣れない世界かもしれませんが、知らない世界を垣間見ることが映画鑑賞の醍醐味! ぜひこの『帰って来たドラゴン』、ご覧ください!!
さかもと未明
【関連記事】
- シネマニア『かくしごと』杏演じる千紗子はなぜ、嘘をついてまで少年を匿ったか。初めて母になれなかったことを「惜しい」と感じた美しい作品
- 来週の『虎に翼』あらすじ。花江(森田望智)の負担を気にしつつ仕事に追われる寅子(伊藤沙莉)。長官室で出会ったのは…<ネタバレあり>
- 『虎に翼』次週予告。「愛のコンサート」大成功で寅子の環境が激変。一方、法曹界へ導いてくれた穂高先生は「時代も変わった。役目を終えた」と語り…
- 本郷和人『光る君へ』栄光を取り戻すために『枕草子』を使うことを思いついた伊周。なぜ貴族にとって「春はあけぼの」が最高かと言えば、もちろん男女の…
- 『光る君へ』の紫式部は当時<極めて遅い>26歳前後で藤原宣孝と結婚。婚期が遅れた原因は性格や結婚観などでなく、単に…