松下洸平”牧野”のアシストが流石…森川葵”篠谷”が見せた確かな成長とは? 『放課後カルテ』第7話考察レビュー
松下洸平主演のドラマ『放課後カルテ』(日本テレビ系)が放送中。本作は、小学校に赴任した口も態度も悪い小児科医が、類稀なる観察眼で児童の異変に気付き、未来へ向かう子どもたちの背中を押す保険室ヒューマンコメディ。今回は第7話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】松下洸平の絶妙な芝居…貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『放課後カルテ』劇中カット一覧
大人でも難しい“人間関係”
11月23日に放送された『放課後カルテ』(日本テレビ系)第7話。これまでのように小児ならではの疾患や、精神病にフォーカスが当たっていたわけではない。しかし、とても大事なことを教えてくれる重要な回となっていた。 それが人間関係の構築方法だ。 どういう言葉を言ったら相手を傷つけてしまうだろう、どういう振る舞いが相手のためになるだろう。いくら親が子供に人間関係の重要性を説いていたとしても、子供にとっては学校が最初に色んな人に出会える社会だ。トライアンドエラーで人との距離感や接し方を学んでいくしかない。 そんな場所で躓いてしまっているように見えるのが6年2組のれいか(畠中一花)。 彼女はあまりに率直な物言いをしてしまうがゆえに、周囲の人間を傷つけてしまうことがあった。言い方がきついのは確かだが、何をどう注意すればいいのかと考えると大人でも意外に難しい。牧野(松下洸平)も事実を話すことと自慢することはどう違うのかと頭を悩ませる。
れいかとは対照的な聡(渡邉斗翔)
何でも口にしてしまうれいかに対し、不登校の児童・聡(渡邉斗翔)は家庭で問題を抱えている。父親が家を出ていってから部屋にこもるようになり、母の順子(市川)ともほとんど顔を合わせていない。 父親の元にバスへ乗って向かう車内でも、何でもかんでも口に出すれいかと、質問されても口をつぐむ聡の姿は対照的だ。 もちろん、どちらが良いとかではなく、れいかの言うように「足して2で割ったら」ちょうどいいのかもしれない。しかし、現実ではそんなことはできないし、学校という社会の中で少しずつ学ぶ必要がある。 いつ黙り、いつ喋るべきなのか。大人になったら当たり前に空気を読んで、自然にそんなことをやっているが、どこで手にした能力かと考えると皆目検討もつかない。だが、『放課後カルテ』ではその“瞬間”を明確に描き出す。 病院のベッドで点滴を受ける聡の元へ病院で働く順子が仕事の途中でやってくる。しかし、背を向けて言葉を発さない聡に対して順子は「話したくないよね」と仕事に戻ろうとしてしまう。そんな折、れいかは父親の元に2人で向かったこと、すでに仕事を辞めていて会えなかったことを明かす。 さらに、牧野が「お前は謝って欲しいのか」と問うたことで、ついに聡は胸の内をさらけ出すことを決心。喧嘩ばかりする両親に「別れればいい」と言ってしまったこと、そのせいで父親が出て行ったのではないかと思っていることを打ち明けたのだった。