20年かけてレトロな「メッサーシュミット」を完調に仕上げた!「飛べない戦闘機」で平和に地元のワインディングロードをのんびり楽しんでます
30年ほど前に憧れて購入するもコンディションはイマイチ
「若い頃、1960年代の日活アクション・コメディ映画の中で見たのが最初だったかなぁ」 と話してくれたのは、この1961年式メッサーシュミット KR200のオーナー、伊藤博之さん。当時からその独特な個性が気になっていたと言う。 「もう30年くらい昔に見た雑誌で“空を飛べなかったクルマたち”みたいなタイトルの特集記事があって、そこにメッサーも紹介されていて、それが直接のきっかけとなって当時東京のショップで売りに出ていたこいつを手に入れたんです」 念願かなって手に入れたメッサーシュミットKR200であったが、しかしその調子は良くなかったそうだ。 「きちんと整備されていなかったようで、現在のコンディションまで仕上げるのには、ずいぶん苦労しました。まずはエンジンのパーツのクリアランスを正規の数値に戻すところから始まり、キャブレターをオリジナルのビング製からケイヒンに変えて、あと、コンロッドやピストンも試行錯誤を繰り返しいろいろ交換してみたり。あ、スプロケットも歯数を変えたものをいくつか用意してトライアンドエラーを繰り返し……」
20年ほどかけてやっと完調に
トラブルシューティングに明け暮れる日々、一時は「このまま捨ててしまおうか」と考えた時期もあったそうだが、やはり積年の憧れから手に入れたクルマだけに、なんとか仕上げる道を選んだ伊藤さん。 「結局完調になるまで20年くらいかかっちゃいましたが、今は地元の岐阜のワインディング・ロードでのんびり遊んでいますよ」 最近ではヒストリックカー・イベントに参加することも多いとのこと。長い長い時間をかけてベストなコンディションとなったメッサーシュミットKR200。戦闘機メッサーシュミットBf109と同じ、片ヒンジのキャノピーを開けてコクピットに乗り込む伊藤さん。しかし伊藤さんのメッサーの向かう先は幸いなるかな、平和なヒストリックカー・イベント会場なのである。
長尾 循
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