【サッカー日本代表 板倉 滉の「やるよ、俺は!」】第21回 26年W杯最終予選に向け、準備は万全!
26年北中米W杯アジア2次予選を全勝突破した森保ジャパン。最終予選の組み合わせは〝死のグループ〟との声も上がる中、板倉は「2次予選でのトライが最終予選に結びつく」と語る。W杯連続出場を誓う彼が語る展望とは――。 【写真】W杯最終予選の展望を板倉滉が語る! ■予想外だったボランチ起用 常に準備は怠らず、予想外の展開にも柔軟に対応できる力を持つことは非常に大事だ。サッカー選手は、そういった能力を求められる。僕の場合、6月6日に行なわれた2026年北中米W杯アジア2次予選のミャンマー戦がそうだった。 スタメンのDFは3バックで左から伊藤洋輝、(谷口)彰悟さん、橋岡大樹。僕は控えに回っていた。システム変更や選手の負傷といった不測の事態に備えて、控えのメンバーは前半から後半の途中までは体を動かしてアップしておくことが多い。 ただ、この日は前半17分の(中村)敬斗による先制点に始まり、前半34分の(堂安)律、後半30分の(小川)航基のゴールで3-0と一方的な試合展開。 となれば、守備の機会が少ないので選手交代は自然と攻撃陣が中心になるし、その中でも出場機会の少ない選手や初めて招集した選手をチェックするために投入するのがオーソドックスだ。 途中でセンターバック(CB)を代えることなんてめったにないので、正直あの日は出番なしと踏んで、ベンチに座って試合を見ていた。 ところが、後半30分過ぎにコーチの名波(浩)さんがバーッと走り寄ってきて、「滉、いくぞ」と。驚きのあまり僕は思わず「俺ですか?」と答えてしまった。 しかも、守田(英正)君に代えてボランチでの起用。ベンチには本職の(遠藤)航君も、(田中)碧もいる。びっくりしたけど、森保(一)監督の指示である。急いで準備して、ピッチに駆け出していった。 所属先のボルシアMGでは、昨シーズンの終盤はボランチ起用が多かったが、A代表では久々である。振り返ると、A代表のデビュー戦もボランチでの出場、相手はウルグアイだった(19年6月20日、コパ・アメリカ1次リーグ第2節)。 結果は2-2で、個人的にはほろ苦いデビュー戦となった。その悔しさを次のエクアドル戦(6月24日、第3節)で晴らすため、がむしゃらになったこともよく覚えている。 ミャンマー戦に話を戻すと、後半38分に航基が追加点を、48分には敬斗がダメ押しゴールを決めたため、緊迫した試合展開ではなかったが、気を緩めずにしっかり無失点で終えることは強く意識していた。 その上で厄介だったのはミャンマーの気候。僕はロスタイムも含めて15分程度の出場だったにもかかわらず、高温多湿な気候のせいで汗が噴き出し、あっという間に体力を奪われた。隣にいた彰悟さんをはじめ、先発のメンバーたちはかなりキツそうにしていたので、味方の体力も踏まえたプレーが求められた。 何はともあれ、結果は5-0。クリーンシートで終えることはできたが、これが拮抗した試合での途中出場となれば、全然話が違ってくる。