2024年は年商3億ドルに ドルチェ&ガッバーナビューティ CEOトニオロ氏「ブランド成功の秘訣は全カテゴリーでの調和だ」
──どのような戦略的理由によって、D&Gビューティを自社ブランド化するという決断が下されたのか。
「美容品を自社ブランド化することはある面においては難しい決断だったが、当社のビジネス規模と、ドルチェ&ガッバーナの美容品カテゴリーの認識の両方が完全に変わった。ステファノ(・ガッバーナ氏)とドメニコ(・ドルチェ氏)はドルチェ&ガッバーナの美容品カテゴリーの認知度を、このファッションハウスが管理するほかのカテゴリーと同レベルにまで引き上げたいと考えていた。その頃の当社は主にフレグランスブランドであったため、最初にやるべきだと考えたのはその分野のビジネスを守ることだったが、なんとか3つの新作を発表できた。次のステップは、ファッションブランドにとって美しさの自然な延長であるメイクアップに注力し、大胆に取り組むことだった。ドルチェ&ガッバーナはファッションから美容品までのカテゴリーを網羅し、メイクアップによって即座に自分自身を表現できる喜びに満ちたブランドだ。我々はドルチェ&ガッバーナのファッションの伝統を受け継ぎ、そのつながりをより強固なものににしたいと考えていた。そして最後に、Z世代やアルファ世代のような若い世代ともっとつながりたかったのだ。この3つが、当初からの主要な戦略目標だ」。 「デザイナーズブランドが美容品カテゴリーでフレグランスしか扱っていなければ、そこでは一流とも大手ともみなされない。デザイナーズブランドのトップとみなされるには、フレグランスとメイクアップのように、少なくとも2つのカテゴリーを扱う必要がある。まさに、これが当社の目標だ」。
──現在のところ、D&Gビューティをどのように成長させようとしているのか。
「現在80のSKUがあり、さらに80のSKUを追加する予定がある。2025年までには、350のSKUを取り揃えた完全なラインになるだろう。当社はフレグランスとメイクアップという2軸を持つブランドをめざしている。しかし以前は2.5軸を持つブランドをめざすとも言っていた。なぜなら、2025年度の第1四半期までにスキンケアカテゴリーにも参入する計画があるからだ。ただし、アンチエイジングカテゴリーには参入しない。アンチエイジングは研究所での研究とその結果が重要で、ファッションブランドである当社にはその正当性がないからだ。しかし現在、我々はメイクアップ商品やフレグランスに、肌を美しくする効果やエイジングケアに役立つ効果のある、スキンケアに使用することができるイタリア産の原料を多数配合している。ビジネスに関していうと、2023年にD&Gビューティ史上最高の営業利益を達成した」。
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