「お前がやりたいことは何だ」…プー太郎寸前の「Fラン出身ダメ社会人」を変えた先輩の一言
「お前がやりたいことは何だ」
「お前がやりたいことは何だ。それがわからないままではこれからどうなるかなんて考えられないだろ。どこかに旅行に行くにしても、まず目的地を決めないと何も決められないし、どこにも行けない」 言っていることはごもっともです。箸でつまんだ大根が、ぽとりと皿に落ちます。 「そのためにいまの仕事がある。なんとなく仕事をしていると嫌な部分だけが見えてくる。でもな、目指すことのために仕事をしていると思うと嫌なこともこれからのためになると思えてくるから不思議なものだ」 「お前は真剣に仕事をやっていると胸を張れるのか。辞めた連中と同じように、ここの仕事が大変だから他に行くのはいいが、行った先でも同じことが起こる。それは自分の伸び代を試しもしていないから当然だ。そうやって自分の居場所がどんどん狭くなる。それでもここを辞めて次に行くことでお前の目指すものが見つかると思うなら、この仕事を辞めてしまえばいい」 半ば脅迫めいた突き放す言葉でしたが、粗野な言葉の向こうに思いやりを感じます。しかし、目指すものが何かはその居酒屋では見つからないままでした。 『「学校の勉強とは違う」コカ・コーラを日本一売った男が実践する「売れる営業」の神髄』へ続く
山岡 彰彦(株式会社アクセルレイト21 代表取締役社長)