「ダメな理由」より「イイ理由」を追求したほうが近道 一周回って考えるクラブ選び/ギアを愉しむ。
至極の14本探しには“近道”がある
現在は、入手可能な現役シャフトの中から、実験シャフトと近しいモデルを試したことで、概ね正しいのではないかと思えるところまで来ている。毎日、芝の上から試し打ちを繰り返し、弾道結果は良好。苦手としていた58度以上のロフト角でも、明らかにフェースにボールが乗るようになり、打つことが楽しいと思えるようにまでなってきた。 「このウェッジ、どこがイイんだろう?」から始まった実験は、デッドストックシャフトで行うしかなかったことで、予想だにしない方向にたどり着くことができた。まだまだ“答え”には行き着いておらず、この自由研究をレポート(記事化)するには時期尚早ではあるものの、仮にウェッジといってそのままウェッジ専用シャフトの中で探っていたら、この域まで達していなかったと思う。
数発打ってうまく打てないクラブに執着するより、詳しく分からないけれどスパーン!と気持ちよく打てたクラブに興味を持つ。そして、その素性を明らかにする。自分に合ったクラブは何なのか? を徐々に理解していくことで至極の14本が揃っていく。そんな近道があることを約30年前のウェッジから教えてもらった。(高梨祥明)
プロフィール/高梨祥明(たかなし・よしあき) 20有余年ゴルフ雑誌のギア担当として、国内外問わずギア取材を精力的に行い、2013年に独立。独自の視点で探求するギアに対する見解は、多くのゴルファーを魅了する。現在は執筆活動のほかマイブランド「CLUBER BASE(クラバーベース)」を立ち上げ、関連グッズの企画や販売も行う。