『孤独のグルメ』原作者の“リアルな一人メシ”に密着「曇ったプラスチックのコップもまた味があっていい」
プラスチックコップの水も味わいがある
「曇ったプラスチックのコップもまた味があっていい。こんなときは、ビールが欲しいなんて思わない。大切なのは出された料理や、空間をその時その時に楽しめるかどうかだと思っています」 そのような発想の原点は学生時代にある。 「中学時代、白飯の上に油揚げが丸々一枚のってるだけの弁当を食べている同級生がいたんです。地味弁の極み。彼はごはんを食べるために油揚げをずらすと、はみ出た油揚げが机にたれている。ほかの同級生は笑っていたけど、ボクはちょっとキタナイけど(笑)なるほどそうなるか、ウマそうだなと見ていました。もともと出されたものをどう攻略すればおいしく食えるか考えるのが好きだったんです。例え、それがまずそうなものでも」 今日もまた、出会った料理と自分なりに向き合いながら「孤独のグルメ」を楽しむ。 【久住昌之氏】 漫画家、音楽家、イラストレーターや装丁家など、さまざまな分野で活躍。原作を務める代表作『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー 扶桑社刊)は映画化され、1月10日全国公開 <取材・文/週刊SPA!編集部> ―[密着ルポ 100%[孤独のグルメ]]―
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