「石丸方式」で兵庫県知事に返り咲いた斎藤元彦氏 支援者たちのSNS使った“推し活”の威力
■「SNSで政治が変えられる」と“推し活” 最後の演説をした16日の三宮駅前で、斎藤氏の到着を待っていたとき、2人組の女性から声をかけられた。 「都知事選でも会いましたよね。記事、見てます」 7月の都知事選で、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選挙のときに取材した人で、埼玉県から来ているという。 「石丸さんの選挙で、ネット、SNSはすごいと感じたんです。SNSで政治が変えられると。石丸さんの選挙が終わって何か物足りないところがあった。衆院選ではネットで玉木さんの国民民主党がいいと、推し活動をしました。そうしたら国民民主党が議席を伸ばしたので、やってよかったと思いました。今度は斎藤さんが盛り上がっていたので、それを推すため、追っかけてきました」 藤川氏によると、SNSを使って選挙を動かす「石丸方式」は、都知事選後も続いているのだという。石丸氏のあと、自民党総裁選では高市早苗氏がSNS戦略をたて、党員票ではトップになった。次に衆院選では玉木雄一郎代表の国民民主党がSNSに力を注ぎ、議席を4倍増にした。 「すべての始まりは石丸君だ。最初に石丸方式が大成功して、参加してくれたボランティアの熱量がますます高くなって『次はだれに』という問い合わせや相談が何度もあった。それが高市氏、国民民主党に流れ、そして斎藤氏だった」(藤川氏) 選挙終盤、斎藤氏にSNSについて聞くと、こう答えた。 「これまでさんざん、悪口もデマも書かれてきた。けど朝立ちにSNSを見て駆け付けてくれる人もいて、威力もわかってきた。前の選挙は政党の支援があり、資金も人もあったが、今回は何の組織もない。数少ないスタッフもSNSを使えばと言っているので流れに任せよう、それに乗って使っていきたい」 17日の当選後の会見では、斎藤氏はSNSのパワーに触れてこう語っていた。 「SNSを通じた選挙戦を、本当にご支援いただきながら広げさせていただいた。もともと、SNSはコメントが厳しかったりで、そんなに好きじゃなかった。やっぱり今回はSNSを通じて、いろんな広がりですね、見ていただいてる方がこんなにたくさんおられる。応援してくれる方がSNSを通じて広がる、プラスの面をすごく感じた」