ヴォーバン星型要塞の「土塁」を攻略せよ!【シクロクロス2024/25 WC第5戦 フルスト:プレビュー】
シクロクロスファンへ、ちょっぴり早めのクリスマスプレゼント。ヨーロッパ全体が冬休みに突入する週末に、2日連続で、UCIワールドカップがやってくる!!しかも12月21日の土曜日、第5戦の舞台は、クリスマス飾りには欠かせない「ひいらぎ」という名を持つ町。オランダのフルストで、自慢の星型要塞が、熱く燃え上がる。 【ハイライト】UCIシクロクロス ワールドカップ 第11 戦フルスト|Cycle*2023 2024/25の今シーズン、UCIシクロクロスワールドカップ初の試みとして、2日連続開催が組み込まれた。クリスマス直前の12月21日と22日、そして世界選手権直前の1月25日と26日の2回。今週末の第5戦フルスト(オランダ)→第6戦ゾンホーフェン(ベルギー)は、国は違えど高速道路で1時間半程度の距離だけに、大多数の選手が連戦を予定している。
唯一の例外が……マチュー・ファンデルプール!過去6戦6勝のフルストには立ち寄らず、翌日の日曜日から、待望のシクロクロスシーズンへと走り出すからだ。
言い換えれば、この土曜日は、絶対的チャンピオンの参戦前夜。昨冬14戦1敗と無双し、世界選手権で悠々と6度目の優勝を手にしたマチューが乗り込んでくる前に、他の実力者たちはワールドカップポイントを少しでも多く積み重ねておきたい。
前週、得意のナミュールで今季ワールドカップ2勝目を上げ、絶好調のマイケル・ファントゥレンハウト(ベルギー)はもちろん、途中棄権で貴重なポイント収集機会を失った前年度総合覇者エリ・イザビット(ベルギー)の奮起も期待される。ワールドカップ3戦を終えて、いまだ表彰台ゼロのオランダ勢も、マチューの帰還前に地元で意地を見せられるか。
また日本からも、2週連続参加の梶鉄輝と、ワールドカップは初体験となる岡山優太の2選手がスタートラインに並ぶ。
来季2026年のシクロクロス世界選手権開催地でもあるフルストでの大会は、地元では「要塞クロス(Vestingcross)」として愛され、いわゆるヴォーバンの星型要塞の一角で繰り広げられる。当然ながら中世の石壁は、外敵の侵入を防ぐために、掘と小高い土手とでぐるりと取り囲まれている。この「土塁」こそが曲者。なにしろ恐ろしく急な上に、緑の芝生と泥とが混ざり合い、ひどく滑りやすくなっている。そこを選手たちは、大急ぎで上ったり下ったり横切ったりしなければならない。
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