ブラックロックのビットコインファンド、「ETF史上最高のデビュー」
ETF化のゴーサインが1月に出ると、ブラックロックをはじめフィデリティ、ヴァンエック、グレイスケールなどがビットコインETFローンチ第1陣となった。現在では12のファンドが合計で約1070億ドルの資産を保有する。
群雄割拠となったこの世界で、IBITの存在は際立つ。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、エリック・バルチュナス氏によると、500億ドル超えまでのスピードは、後続ETFに5倍の差を付けて断トツのトップ。2位のブラックロックiシェアーズ旗艦ETF、MSCI・EAFEはこのマイルストーン到達に4年近くを要した。
IBITの保有資産はブラックロックの金ETFを抜き、今年の純流入額は370億ドルと、ファンド全体で3位の規模だった。
ザ・ETFストアのジェレイチ氏は、ビットコインの暴落がないと仮定して、IBITは25年に金ETF最大手のSPDRゴールド・シェアーズを追い抜く可能性があるとみている。
一方でブラックロック最大のライバル、バンガードは対照的な姿勢だ。同社はスポットのビットコインETFを提供しないと決めただけでなく、ブローカーを通じた取引さえも認めていない。
「バンガードのように低コストの株・債券ファンドの分散投資を根強く支持しながらも、小さな割合で投資資産を暗号資産(仮想通貨)に振り向ける投資家は一定数いる」とジェレイチ氏は指摘。暗号資産を標準的なポートフォリオ資産と見なす若い投資家を遠ざけるリスクを冒し、最大の競合相手に「より先進的に考える革新的な資産運用会社」としての立ち位置を許していると同氏は述べた。
ブラックロックとバンガードの広報担当者はいずれもコメントを控えた。
原題:BlackRock’s Bitcoin Fund Became ‘Greatest Launch in ETF History’(抜粋)
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Sidhartha Shukla