【レパードS】メンバー集まりハイレベル化 戦ってきた相手からミッキーファイト、ジーサイクロンらを高評価
古馬2勝クラス突破のジーサイクロン
人気どころではミッキーファイト、ミッキークレスト、サンライズソレイユは500kg以上の大型馬。京都や東京など広いコースでの好走が多く、新潟は未経験。なんなく立ち回りそうな予感もしつつ、こればかりはやってみないとわからない。 前走GⅢ【4-0-0-17】勝率、複勝率19.0%はすべてユニコーンSだが、同レースは今年から東京ダービートライアルとして4月京都ダート1900mに生まれ変わった。当然、データとしてはノーカウント。しかし、前走重賞経験という大枠に変化はない。むしろ、東京ダービー馬ラムジェットと一緒に戦っており、評価は落とせない。 ミッキーファイトは0秒7差3着と少し着差はついたが、2着サトノエピックも東京ダービー2着であり、最上位クラスと戦った事実は評価しよう。 東京ダービー5着ハビレ、UAEダービー帰りのバロンドール、サトノフェニックスなど今年のレパードSは明らかに層が厚くなった。例年、健闘する前走条件戦【3-6-4-72】がどこまで通用するか未知数ではあるが、3歳同士であれば、そこまで実力差が開いていない可能性も否定できない。前走条件戦は大きく中9週以上【0-2-0-6】と中8週以内【3-4-4-66】に分けて考えよう。 というのも中9週以上の条件戦とは3歳限定戦を指し、中8週以内は古馬条件戦だからだ。3歳限定の条件戦からここに向かう馬も2着が2頭いるので消しではないが、勝ち負けとなると古馬条件戦経由を上にとりたい。 前走が3歳以上の古馬条件戦だった馬のうち、1勝クラスは【0-2-1-24】複勝率11.1%で、2勝クラスだと【2-2-2-41】勝率4.3%、複勝率12.8%、さらに3勝クラス【1-0-1-1】勝率33.3%、複勝率66.7%。3歳馬は5月末までに2勝すればオープンクラス。1勝馬と2勝馬の価値は古馬の基準より重い。まして今年は出走馬のメンバーレベルが高く、最低でも2勝クラス以上の経験はほしいところだ。 前走2勝クラス1着は【2-1-1-19】勝率8.7%、複勝率17.4%。6月の京都で3勝目をあげたジーサイクロンは同じく6月京都で1勝クラスを突破したミッキークレストより上位にとりたい。前走1勝クラスは過去の傾向でも苦戦しており、今年からはさらに厳しくなるだろう。古馬重賞プロキオンSに挑み、揉まれたブルーサンは雲取賞を勝ち、羽田盃2番人気の実績馬。距離延長でマイペースを貫けるようなら平然と巻き返す可能性はあるだろう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳