リフォームが始まってから衝撃の事実発覚…でもあきらめない!マンションの構造壁の問題をどう乗り越えたのか
あえて壊さず既製の建具+塗装でコストも削減!
キッチン背面の壁とは逆に、あえて壊さず、もとの状態を活かす形で計画を進めたのが主寝室のウォークインクローゼットです。 奥がクランクしていて、ちょっと不思議な形をしています。クランクしている奥行きの深い部分はそのまま活かし、オープン棚の板とハンガーパイプを取り付けました。 ルーバー扉とクローゼットのなかもカラーワークスの「モアナカラー」で塗装しているので、部屋との一体感が出て大満足です。 新たに造作家具を工場でつくって現場で組み立てるよりも、大工さんに“木工事”で壁面と扉まわりを揃えてもらい、塗装で仕上げた方がコストも抑えられて統一感も生まれるんですよ。
既製の建具のサイズが合わないときは、“面取り”で解決!
この家でお気に入りの場所のひとつが洗面室なんです。 主寝室のウォークインクローゼットの扉だけでなく、「toolbox」の建具はほかの部屋でも使っているのですが、洗面室のランドリースペースにある収納扉は、ちょっとだけ規格のサイズに合わなくて…。 今回も、上田さんの機転で“面取り”をしてもらってなんとか収めてもらいました! キッチンでもそうなのですが、扉同士が干渉、つまり微妙にぶつかってしまう部分が生じることがあります。 建築用語で「こじる」と言ったりしますが、こういう時は扉の角を少し(2~3㎜)斜めに削って面取りすると干渉するのを避けられます。 既成の建具は、塗装前にサンドペーパーをかけてもらったり、面取りをしてもらったり、ちょっとした工夫とひと手間を加えることで、理想の形に仕上げることもできるので、ぜひリノベーションを考えている方は参考にしてみてくださいね!
ぴったりフィットの造作家具で“欲しい”を実現!
そういえば、空間に合う既製品の家具や建具がどうしても見つからないこともありました。そういうときは造作家具の出番。 この家ではいくつか造作家具を取り入れていますが、主寝室のドレッサーもそう。 カーテンを付けて、ベッドを決めて…とベッドルームのインテリアを決めていくなかで、ここにどうしてもドレッサーが欲しくなってしまって。 でも、ベッドと壁の間の通路幅は80cmくらいしかなく、さすがに既製品家具で探すのは至難の業。 今回のリノベーションのように、間取り変更をしないと、限られた枠のなかで家具を入れていくことになるので、「スペースが足りない!」なんてことも多々あると思います。 造作家具なら、こうやって欲しい場所にぴったりフィットの家具を納めることできるし、既製品の家具よりもコストを抑えられる場合もあるので、おすすめです!
【Profile】 山根ひとみ(やまね・ひとみ)/キッチンメーカーのスーパーバイザーを経て、2007年にオーダーキッチン会社「マードレ」を立ち上げる。 料理好きの細やかな視点でキッチンを提案し続け、納品実績は1700棟超。 キッチンスペシャリスト、野菜ソムリエの資格を有し、アビシニアンの猫ちゃんとハワイをこよなく愛している。