日本ハム・生田目翼 崖っぷちで開花した「火消しの翼」/中継ぎ投手の戦い
いつの間にか、生田目翼は「火消しの翼」と呼ばれるようになった。社会人出身の6年目右腕は崖っぷちでポテンシャルが全開放されたのは前半戦最終戦。7月21日のロッテ戦(ZOZOマリン)の5回一死一、三塁で中継ぎ登板すると、たった1球で投ゴロ併殺打。ピンチを切り抜けると、なかなかスポットライトを浴びなかったプロ野球人生も明るく切り開けてきた。 【選手データ】生田目翼 プロフィール・通算成績・試合速報 後半戦は試合の重要局面での起用に応え続けた。8月3日ソフトバンク戦(みずほPayPay)では3回途中からマウンドに上がり、5回までロングリリーフ。試合を立て直してチームの逆転勝利に貢献した。8月7日の楽天戦(楽天モバイル)は7回に危険球退場となった先発・山崎福也の後を受けて緊急登板。一死満塁の大ピンチを連続三振で無失点にしのぎ、3年ぶりの白星が転がり込んだ。 150キロを超える直球、シュートを軸にカットボールとフォーク。持ち球をどんどんストライクゾーンに集めて「とりあえず前に飛ばしてもらおう」。その意識は火事場でも的確な“消火活動”に有効的だった。「投手コーチの皆さんは『開き直っていけよ』と言ってくださる」。弱かったメンタル面も結果を出しながら克服。ついに独り立ちした。 初めて開幕一軍入りした今季は救援陣でただ1人、一軍で戦い続けている。寄り添ってくれているのが、社会人時代にも指導を受けた武田久投手コーチだ。「もうゾーンに投げろよ」と背中を押してくれた“師匠”は「本当に救世主」と感謝する。8月12日の西武戦(エスコンF)ではプロ初セーブも記録。自信たっぷりに羽ばたかせる翼で、大飛躍は始まったばかりだ。 写真=BBM
週刊ベースボール