奈良公園で1日だけの「無料K-POPライブ」に県予算2.7億円 “費用対効果”疑問視する声も… 山下知事「これからの日本や韓国を担う若い世代の交流が重要」
奈良県が、奈良公園でK-POPアーティストが出演する無料イベントを計画していることが分かりました。 その費用が約2.7億円かかることから、県民からは賛否の声が上がっています。
■1日だけの「K-POP無料ライブ」に2.7億円 県民から賛否の声
県が奈良公園で来年10月に開催を計画している「K-POPライブ」。一日限りのイベントで、入場は無料。アーティストの出演料と旅費を韓国側が負担し、会場運営料などの2億7000万円を奈良県が負担する計画です。 来場者は9000人規模を想定していて、県民に限定するかどうかは未定だといいます。 一方で、開催をめぐって県民から賛否の声が上がっています。 (10代女性)「若者のためにしてくれているというのは、うれしいけど(2.7億円は)さすがにかかりすぎているんじゃないかな」 (20代女性)「あったら行きたいですね。年齢層によって考え方が違う。若い方にはいいと思うが、奈良には文化財が多いので、そういうところ(影響)を気にする方もいるかもしれない」 (60代女性)「そんなお金があるんでしょうかと。県民に直接的に広く利益になるようなことに使ってもらいたい」
そもそも、なぜ奈良でK-POPなのか。知事は先週SNSで説明しました。 【SNSより】 「奈良県は飛鳥時代から、現在の韓国・忠清南道(チュンチョンナムド)に存在した百済という国と交流がありました。歴史的な経緯から2011年、奈良県と忠清南道は友好提携をし、これまで交流を続けてきました。そうした中で来年の音楽交流イベントの話が持ち上がりました」
■「費用対効果は?」「一過性のお祭りに」県議から批判の声も
K-POPライブの開催については県議会でも批判の声が高まっています。 (永田恒議員)「公金ですから、2億7000万円というのは。これが一過性に終わるんじゃないかという。お祭りにもなりかねないわけで、妥当性が本当にあるのかどうか、私は大変疑問を持っています」 永田議員はさらに疑問の根拠も説明しました。 (永田議員)「例えば知事が『費用対効果』って言葉をよく使います。今年度、奈良市の平城宮跡で『天平祭』というお祭りをこれまでやってきたんですけど廃止されました」 永田議員によると、天平祭の費用は年間3回の開催で合計1億3300万円。K-POPライブは、その2倍以上かかることになります。 動員数は、天平祭が去年11万7500人だったのに対して、K-POPは9000人の見込みです。 (永田議員)「これはどう考えても費用対効果という意味においても天平祭でしょうと」