元県民局長の私的情報「前総務部長から聞いた」 複数県議、兵庫県議会百条委に証言
兵庫県の斎藤元彦知事らのパワハラ疑惑などを調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の聞き取り調査で、複数の県議が告発文書を作成した元西播磨県民局長の私的情報を、前総務部長から聞いたと話していることが16日、関係者への取材で分かった。前総務部長は懲戒処分の責任者。県は地方公務員法(守秘義務)違反の可能性があるとして、弁護士に調査を依頼している。 【図表】元県民局長の文書を巡る問題の経緯 元県民局長の私的情報は公用パソコンの中に記録されていたとされ、3月25日に県が公用パソコンを押収していた。元県民局長は7月2日に代理人を通じて百条委に、プライバシーに配慮してほしいと要望。百条委も「告発文書の真偽を解明する調査とは関係ないため、私的情報は取り扱わない」と決めていた。 一方、前総務部長は10月25日の百条委で、押収した元県民局長の私的な個人情報を印刷し、所持していたことを認めた。ただ、漏えいの有無については問われながらも「守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性がある」などと刑事責任回避を理由に証言を拒んでいた。 関係者によると、百条委は16日に非公開で複数の県議に聞き取り調査を実施。4月中旬ごろに前総務部長から、元県民局長の私的情報の記録を見せられたり、話を聞いたりしたとの証言があったという。 元県民局長の私的情報とされる内容は、知事選前後から交流サイト(SNS)上で広まっており、県は第三者機関を設置して慎重に調査すると表明。元県民局長が7月に死亡したことの因果関係について斎藤知事は「私には分からない」と発言している。