【注目チーム】復活の気配を見せる名門プライベーター、実力者アルボン&2季目の若手サージェントで2024年も継続|ウィリアムズ|F1
父から娘へ世代交代も、2020年に売却
車いすを駆りながらチームを指揮してきた総帥フランク・ウィリアムズは、2012年にF1チームの取締役から退き、娘のクレア・ウィリアムズに現場の指揮を一任した。 その年のスペインGPでパストール・マルドナドが勝利して以降、ポディウムの頂点からも遠ざかっているウイリアムズは、大型スポンサーの離脱やエンジンサプライヤーの変更のたびに勢いを失い、苦戦を強いられている。 2020年は新型コロナウイルスの流行に伴うシーズンの延期によって、過去のマシンやチームの施設を担保に資金の借入を行うなど財政面で非常に苦しい状況に陥っていることが明らかとなった。そして2020シーズン開幕前に、リアウイングにスポンサー名が入っていたROKiT社が、契約解消に至ったことを発表。 同年の8月21日、ウィリアムズはアメリカの投資会社「ドリルトン・キャピタル」に所有権が移ったと公表した。チーム副代表クレア・ウィリアムズは、イタリアGPを最後にチームから離れることに。幾多の困難を乗り越えてきたウィリアムズは1977年より43年間ウィリアムズ一家で運営されてきたが、一族経営に終止符が打たれた。 ウィリアムズの冠は継続で、チームは米国資本へと完全移行。そして2021年シーズン終盤の11月26日、フランク・ウィリアムズ卿は79歳でこの世を去った。その直後の第21戦サウジアラビアGPはF1各チームが喪に服し、ウィリアムズ卿を偲んだ。
名門復活の兆しを感じさせた2021年
2016年、2017年はコンストラクターズ5位だったが、2018年以降の4シーズンはすべて10チーム中最下位となる10位でシーズンを終えた。 2021年は開幕前からハース、アルファロメオよりも上を狙える力を示し、テールエンダー脱却の予感をさせる速さを見せた。3季目となるラッセルは力で劣るマシンを駆り、予選Q3に何度も進出。圧巻だったのは雨の予選となったベルギーGPだろう。多くのドライバーが路面のグリップに苦しむ中、ラッセルは一時全体トップタイムをマーク。最後のアタックでラッセルをわずかに上回ったマックス・フェルスタッペンが結局ポールポジションとなった。 このベルギーGPは翌日曜の決勝も雨となり、レースは3時間遅延ののちに追い越し禁止のセーフティーカー先導で進み、2周を終えた段階でレース終了となった。ポイント獲得は半分となったものの、予選2番手からそのまま決勝2位でラッセルはレースを終えた。 僚友ラティフィも波乱混じりのハンガリーGP、ベルギーGPで入賞を果たし、シーズンを通じてウィリアムズは23ポイントを奪取。コンストラクターズ10位の続いた名門は、2021年を総合8位で終える結果となった。 そして2022年はラッセルがメルセデスに移籍となり、2020年シーズン限りでレッドブルのセカンドからリザーブに降格となったアレクサンダー・アルボンがウィリアムズのレギュラードライバーを務めることになった。