<春に挑む2024・熊本国府「主役」紹介>/下 裏で支える大事な仲間 /熊本
創部から19年目の春を迎える熊本国府高野球部には3人の女子マネジャーが所属する。このうち、中原愛美(めぐみ)さん(2年)、可徳ひば利さん(同)は、部にとって初めての女子マネジャーだ。本山千尋さん(1年)が後に続いた。「『ありがとう』という選手からのさりげない感謝の言葉にやりがいを感じる」と3人は話す。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 熊本市中央区の学校から野球部のあるグラウンド(熊本県合志市)は離れている。帰宅が夜遅くなってしまうことなどから、これまで女子マネジャーは断っていたという。 中原さんと可徳さんは、同じ中学出身で、ともに野球部マネジャーを務めていた。2人は熊本国府野球部にはこれまで女子マネジャーがいないことは知っていたが、誘い合って入学式当日に山田祐揮監督へ直接入部希望を届け出た。 山田監督はこれまでの経緯から一度は「考えさせてほしい」と保留したものの、入学直後の直談判という熱意に押され間もなく許可した。5月、大型連休明けごろから2人の活動が始まった。 ドリンクの補給や道具の準備、片付けなど、当初は先輩の男性マネジャーに付いて仕事を覚えた。軟式だった中学と違い、硬球を扱う中で戸惑うことも多かった。しかし今、先輩は引退し、後輩の本山さんも含めた3人の動きに迷いはない。練習に、なくてはならないと誰もが認める。 大会前、毎回部員や監督ら全員に勝利祈願のお守りをつくることも大事な仕事だ。手に収まる大きさに布を縫い上げ、選手のイニシャルを入れる。形は毎回違うが、センバツでは金メダルをモチーフにする。 「3人は裏で支えてくれるとても大きな存在。目標の『甲子園ベスト4』を目指す仲間です」。主将の野田希(2年)は、そう言って感謝を表現する。【野呂賢治】