ベトナム24年成長率7.09%に加速、輸出や海外投資が寄与
Khanh Vu Phuong Nguyen [ハノイ 6日 ロイター] - ベトナム統計総局が6日発表した2024年の国内総生産(GDP)は7.09%増の4763億ドルだった。好調な輸出や海外投資の流入により、23年(5.05%増)を上回る伸びを達成した。 第4・四半期の成長率は7.55%で、四半期としては過去2年で最高となった。 昨年は大型台風の到来で被害を受けたが世界的な消費回復が寄与した。 統計総局のグエン・ティ・フオン局長は会見で、「自然災害を含む困難の中で前向きな結果で25年の成長に向けた良い基盤となった」と述べた。 統計総局によると24年の輸出は前年比14.3%増の4055億3000万ドル。電子機器、スマートフォン、衣料品、農産物がけん引した。 輸入は16.7%増の3807億6000万ドルで、貿易黒字は247億7000万ドルとなった。 政府が電力不足の再発を避けるために発電用石炭の輸入を増やしたことも24年成長率の回復に寄与した。24年の石炭輸入量は前年比24.8%増の6380万トン。同年の発電量は9.6%増の2933億キロワット時。 24年の外国からの投資流入額は9.4%増の253億5000万ドル。 24年の消費者物価は平均上昇率は3.63%、工業生産高は8.4%増加した。 ベトナム政府の今年の成長率目標は6.5─7.0%。ファム・ミン・チン首相は先月、8.0%成長を目指すと述べた。 統計総局のフオン局長は「今後、ベトナムは金融政策を積極的に監視し、為替レートを安定させ、有力貿易相手国を注意深く注視し、タイムリーな政策をとる」と述べた。さらにトランプ次期米政権の政策を懸念しているとし、「トランプ氏が大統領に就任すれば彼のメッセージはより明確になる。トランプ政権下での変化に備えるつもりだ」と述べた。 オックスフォード・エコノミクスは6日付のノートで、今年のベトナムの成長率を6.5%と予想したがサービス輸出の勢いが鈍っているようだと指摘。「前向きな成長データにもかかわらず、銀行・不動産セクターからの試練が続いており信用の伸びはトレンドを下回っている」と述べた。