「牧のバットが4mm細い理由」牧秀悟と職人たちの絆がスゴい...「驚嘆させられたコンマ2mmの違い」「内緒で削った10gの信頼関係」
「恐れ入りました」
25日に公開された球団公式ドキュメンタリー映像「勝ち切る覚悟」でのキャプテンシーも話題となっているDeNA・牧秀悟。ルーキーイヤーから4年連続で133試合以上に出場し、打率、本塁打、打点の打撃3部門は常にトップ8の成績。23年には打点王と最多安打の主要タイトルも獲得している牧は、なぜ、これほどの成績を残せているのか。牧のバットを作り続けてきた職人がその秘密、今季終盤の打棒爆発の裏話を教える。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前回記事「「大手よりも恩義」DeNA・牧秀悟と職人たちの絆の物語...《日本シリーズ制覇後の深夜2時半》に取った「牧らしい行動」」から続く。 牧がプロ1年目からアドバイザリー契約を結んでいる「シュアプレイ」のバット職人である森崎寛樹氏には、牧秀悟という超一流のバットマンの凄みに触れて驚嘆した瞬間がある。 「あるとき僕がミスをしてちょっと太いバットを送ってしまったことがあったんですよ。そうしたらすぐに連絡が来て、『モリさん、今回のバット、握りのところがちょっと太くないですか?』と言う。エッと思いましたが、牧君が言うならと思って、すぐに送り返してもらい、そのバットの握りの直径を測ったんです。 そうしたら0.2mmですが確かに太かった。0.2mmということは削り直すのは0.1mmなんですよ。それを握った瞬間に、太いとわかる。恐れ入りました。そのことを謝って手直ししたものを送ると『バッチリです』と言い切る。 人の手はむくんだりもするし、手袋の皮の厚みだって違う可能性もある。それでも一発で違いを感じ取れる。そこまで繊細なことを言われたのは初めてでしたね」 ただし、中大入学時の牧はむしろバットに無頓着だったと森崎氏は回想する。 「知人に紹介されて中大に入ってきたときにバットを用意することになって、どんなバットがいいのかと聞くと、『ミドルバランスだったら、僕はなんでもいいです』と。高校生なので一切わかるはずもなく、それはよかったのですが、長さは『84cmです』と言うたんです。私は『中大でやろうという選手が84cmはどうやろう。85cmにした方がいいんと違うか』と、85cmを薦めました」 金属製と違って木製バットはしなりを利用しなければ強い打球を生み出しづらい。当然バットが長い方がしなりを大きくしやすく、強豪ひしめく東都大学野球連盟の投手と対峙するには、その方が適しているというわけだ。
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