東急不動産・電通大などが実用化へ…「積雪発電」の仕組み
東急不動産と電気通信大学、スタートアップのフォルテ(青森市、葛西純社長)は、北海道倶知安町のスキー場で、雪を使った「積雪発電」の実証実験を公開した。発電時に発生した熱を使って雪を溶かすこともでき、積雪寒冷地の新たなエネルギーとして実用化を目指す。 積雪発電は、温度差でピストンが動く「スターリングエンジン」の仕組みを活用。実証実験では、高温熱源としてバイオマスボイラ、低温熱源には雪で冷やした不凍液を用いて、磁石を上下にピストン運動させることで、最大1・2キロワットの電力を出力した。 さらに、高温熱源から出た熱を融雪にも活用でき、発電機が置かれている仮設小屋の屋根や、建物の前に設置されたアルミニウム板などに積もった雪を溶かす様子も見られた。 積雪発電の仕組みを開発した電気通信大の榎木光治准教授は「雪と熱源さえあれば発電できる。ノウハウを蓄積し、豪雪地帯などで活用できれば」と話した。
日刊工業新聞