男の方が嫉妬深い? 夫に激しく嫉妬された3人の女性たち【齋藤 薫】
パラダイムシフトの今、「美の価値観」を刷新し続けてきた美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、注目したいある視点をピックアップします。 【写真】とりわけ女性の持つ「才能」への嫉妬が根深い理由
マリリン・モンローは来日中に夫の嫉妬に苦しんだ
マリリン・モンローの2度目の結婚は、わずか9ヵ月しか持たなかったこと、またその原因が、夫の激しい嫉妬だったこと、知っていたでしょうか。 二人めの夫は、当時大リーグのスーパースターだったジョー・ディマジオ。一説に、映画『7年目の浮気』の撮影で、地下鉄から吹き上がる風で白いドレスが舞い上がるあの有名なビジュアルに、夫が激怒したのが原因とも言われるけれど、それは最後のトドメに過ぎなかったという意見が有力なのです。 じつは大きなきっかけは、結婚からわずか2週間後、新婚旅行を兼ねて日本に訪れたときの出来事。この来日自体、現役を引退したばかりのジョー・ディマジオを、日本の巨人軍が招いた形だったといいますが、日本中が熱狂したのはむしろ妻のマリリン・モンローに対してだったということが、夫を激しく嫉妬させたというのです。 しかも、決して来てはいけないと言われていた野球のイベントに、マリリン・モンローが不意に姿を表し大騒ぎとなり、夫よりも注目を浴びてしまうという出来事があったこと。夫の敵意と夫婦の不仲はもうそこから始まっていたのです。 妻が体を露出することに対しての嫉妬は、言うまでもなく独占欲から来ているわけですが、自分よりも注目を集めてしまう妻の人気に対する嫉妬は、むしろ男のプライドが許さないという自負心と敵対心から来る嫉妬。むしろ自己愛から来るもので、同じ嫉妬でも、2つの嫉妬は意味合いが全く違います。独占欲からくる嫉妬なら我慢ができても、自己愛から来る嫉妬は許せない、マリリン・モンローの思いもそこにあったのでしょう。
ダイアナ元妃に世界が熱狂しなければ離婚まで至らなかった?
そういえば、ダイヤナ元妃とチャールズ国王の不仲も、嫉妬から始まったと言えます。それも、夫の不倫への妻の嫉妬ではなく……。 世界中がダイアナ妃に熱狂していたとき、本来ならば次の国王になるチャールズ皇太子が受けるべき注目も、全てダイアナ元妃に注がれていることを、チャールズがいかに苦々しく思っていたか、当時の私たちは知る由もありませんでした。それでも日本に2人で訪れた時、注目と喝采があまりにもダイアナ妃に集中していたことに、懸念を示す人もいたほど。 そもそもが、ロイヤル・ファミリーの存在意義は好感度が鍵を握っていると言われるだけに、公務のたびに覚える強い屈辱が、この妻を排除したいという気持ちを生んだとしても、不思議ではありません。 皇太子夫妻の離婚は、もっぱらカミラ夫人との不倫が原因とされてきましたが、離婚するまでに至った不仲を、どうしても修復できなかった理由の1つは、むしろその嫉妬。実際はその方が大きかったかもしれないのです。 逆に言えば、そこまでの嫉妬がなかったら、カミラ夫人との不倫もそれほど濃密なものにならなかったかもしれない、とさえ思えてくるのです。 それくらい、男の嫉妬は深刻なものだということ。