新型ロールス・ロイス カリナンは異次元だ! 4000万円オーバーの超高級SUVの進化とは
ビッグマイナーチェンジを受けたロールス・ロイスの「カリナン」に、小川フミオがスペインで乗った。超高級SUVの進化に迫る。 【写真を見る】新型カリナンの細部(110枚)豪華すぎるインテリアがスゴい!
唯一無二の存在感
世界でも類のないSUVが欲しい。そんなぜいたくな望みを持つひとには、ロールス・ロイスのカリナンしかない。2024年5月にフロントマスクをはじめ、各所に手を入れられたカリナン・シリーズⅡが発表され、さっそく6月初旬、スペインのイビサ島で試乗した。感嘆すべき出来映えだ。 「世界屈指のスーパーラグジュアリーSUVを大胆に昇華させた」と、ロールス・ロイスが表現する、あたらしいカリナン・シリーズⅡ。ひとことでいうと、重厚、だけれど、同時にはなやか。唯一無二の存在感をかもしだしている。 シリーズⅡは、縦のラインを強調したシグネチャーライト採用のフロントマスクや、23インチと大径化したロードホイールをそなえる。パンテオングリルと呼ばれる象徴的なフロントグリルには、今回LEDのイルミネーションが(ピュアEVモデルのスペクターのように)組み込まれた。 内装もデジタル化がやや控えめだけれど、それでもしっかりと導入された。たとえば、ピュアEV(電気自動車)「スペクター」に準じて、デジタル化された計器盤とインフォテインメントのモニター。 もうひとつ、パッと目をひくのが、車内に新設された「スピリット・オブ・エクスタシー・クロックキャビネット」だ。これを読んでいるクルマ好きは先刻承知のとおり、パンテオングリルの上に置かれたマスコット像のスピリット・オブ・エクスタシーが、ダッシュボード中央にも、アナログ時計とともに飾られる。 シート地も意匠があたらしくなった。「デュアリティツイル(二重綾織り)」なる生地を設定。テキスタイルを探求する姿勢をもつというロールス・ロイスによる、凝った織りのファブリックだ。 竹から作られたレーヨン素材といい、模様はロールス・ロイスの頭文字である2つのRを組み合わせたもので、ヨットのノットを意識したとか。色づかいは大胆で、これを選ぶと、かなりはなやかな雰囲気になる。 カリナンがなによりユニークなのは、2018年のシリーズ1登場いらい、ロールスロイスの顧客の平均年齢を56歳から43歳に若返らせたこと。しかも、自分でハンドルを握るひとが9割に達するという。 「従来のカリナンのオーナーは、動力性能にも世界観にも高い満足度を示してくれていました」 ロールス・ロイス本社でプロダクトスペシャリストの立場にあるケンザ・サーディは、イビサの試乗会場で、そう説明してくれた。