衆院選「情勢報道」どう参考にすべき? “メディアの思惑”反映しやすさから「公職選挙法の禁止事項では」疑問の声も
「〇〇候補が優勢」「著名な〇〇候補がまさかの落選危機」 第50回衆議院議員総選挙の投開票日が27日に迫る中、テレビや新聞、週刊誌といった各メディアでは連日「情勢報道」が盛り上がりを見せている。 情勢報道は“法律違反”? 疑問のもととなる条文 いわば選挙期間中の“恒例”として、多くの人は当たり前に情報を受け取っているだろう。しかし、一部では「公職選挙法が定める『人気投票の公表の禁止』に抵触しないのか」といった疑問の声も聞こえてくる。
「あなたは誰に投票しますか」街頭のシール投票を“公表”したら違法?
「人気投票の公表とは、たとえば街頭で『あなたは今行われている選挙でどの立候補者に投票しますか?』というパネルにシールを貼ってもらい、その結果どの立候補者にどのくらい人気があるか(シールが何枚集まったか)をテレビ番組などで流したり、その場で掲示して人々の目にさらす(=公表する)ような行為です。 公職選挙法は人気投票の公表を禁止しているため、『2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金』の罰則を受ける可能性があります」 こう説明するのは、国会議員秘書、市議会議員を経験し、現在は弁護士として議員法務に注力する三葛敦志氏。 法律上、人気投票の公表は、公職選挙法138条の3で禁止されている。 <何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数若しくは公職に就くべき順位)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない> 「この条文は、ある立候補者(または予定者)が当選するかどうかを、『人気投票』の方法により予想した内容(経過であれ結果であれ)を公表してはいけないとしています。 かつては『新聞紙または雑誌に掲載することができない』とされていましたが、昭和31年(1956)の法改正により『何人も』となり、現在は誰であっても公表することが禁じられています。インターネット上での人気投票についても公開が禁止されていると考えられます」