「診療所ゼロ」4倍に 40年推計、342市区町村に(厚労省)
厚生労働省は17日、診療所のない市区町村が2040年には342市区町村に上るとする推計を「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大学長)に示した。2022年時点で診療所ゼロは全国1747市区町村のうち77。40年までに4倍に増える計算だ。 厚生労働省は17日、診療所のない市区町村が2040年には342市区町村に上るとする推計を「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長=遠藤久夫学習院大学長)に示した。22年時点で診療所ゼロは全国1741市区町村のうち77。40年までに4倍に増える計算だ。 検討会は40年を見据えた医療資源の確保策や医師偏在の是正策を年内にまとめる予定。人口の少ない自治体ほど診療所が減る見込みで、介護や福祉サービスでその機能を部分的に代替することが避けられないとみる。 推計は診療所の医師が75歳で引退し、承継も新規開業もないと仮定したもの。外来医療のあり方を議論する際の前提資料として示した。 40年までに新たに診療所がゼロになる265の市区町村は人口1万人未満が大半を占め、40年の総人口は123万7000人。22年の182万2000人より約59万人減る。 近隣都市の大学病院などから医師を派遣するにも限界があるため、厚労省はオンライン診療や、介護・福祉サービスとの連携を推奨する方針だ。 医療資源を有効活用する観点から、高齢者が一定のエリアにまとまって住む「集住」の促進も視野に入れる。住宅政策や交通政策とも絡むため、医療行政の範囲を超えた議論になりそうだ。