JOYも発病「死ぬかと…」福島の高齢者施設で「結核」集団感染 今でも患者数毎年1万人超えの理由とは?
結核感染患者毎年1万人の理由
――結核はそんなに感染力が強い? 結核予防会・結核研究所 太田正樹氏: それほど強いものではないんですけど、人によってぜい弱な方が感染を受けると発病しやすいという状況はあると思います。 そもそも結核とは、「結核菌」という細菌が体内に入って増えることで起きる病気で、ほとんどが空気感染です。結核に感染したとしても約8割~9割の人は発病しないといいます。 発病すると結核は肺のほか、リンパや血管内に菌が入り込み他の様々な臓器に広がります。リンパ節、骨、腎臓、脳、皮膚などに病変を作ることもあり、最悪の場合、命を落とします。 なぜ結核感染患者が毎年1万人以上出ているのでしょうか。 1つは年齢です。2023年の新たな結核患者のうち、65歳以上の数は6740人で全体の66.8%を占めています。 高齢者のリスクが大きい理由は、一度感染すると結核菌は基本的に一生その人の体内にい続けると言われていて、体内に結核菌が残っている割合が高くなっています。 免疫力によって菌を抑え込んで発病しないケースも多いですが、加齢などで免疫力が低下すると、菌が再び増殖を始め発病するケースがあります。
結核を疑うサイン
タンの絡むせき、微熱、体のだるさが2週間以上続く場合、注意が必要です。他にも、体重の減少、食欲不振、寝汗をよくかく、など、不安に思ったら医療機関を早めに受診してください。 ――かぜやマイコプラズマとどう見分ければいい? 結核予防会・結核研究所 太田正樹氏: かなり難しい話で、かぜもマイコプラズマもコロナもインフルエンザもせきをするので、結核と見分けはつきにくいと思います。 最初の受診の時は「かぜです」と言われるかもしれないのですが、同じ医療機関同じ先生にもう一度かかって「まだ出ています」ということをおっしゃっていただければ違うことを考えられると思いますので、“ドクターショッピング”みたいなことはできれば避けていただいたほうがよろしいかと思います。