50歳現役の三浦知良はガチでJ2横浜FCの戦力なのか?
誕生から25年目を迎えるJリーグが、まもなく幕を開ける。オープニングイヤーの1993シーズンを経験したJリーガーのうち、いまも現役を続けているのは2人しかいない。 アトランタ五輪でブラジルを撃破するゴールを決めた、42歳のMF伊東輝悦(アスルクラロ沼津)とFW三浦知良(横浜FC)。松本山雅FCをホームのニッパツ三ツ沢球技場に迎えるJ2開幕戦の26日が、くしくも50歳の誕生日となる。今年でプロ32年目。横浜FCでは13年目を迎えたサッカー界のレジェンドは、チーム内で今、どのような立ち位置にいるのか。カズは戦力なのか? 昨シーズンのカズは、20試合に出場して2ゴールで、先発した9試合では66分間が最長プレー時間だった。 数字だけを見れば攻撃陣のなかで最も少ないが、引き続き指揮を執る55歳の中田仁司監督は「もちろん選手の駒の一人として考えています」と、639分間で2ゴールをあげた内容を高く評価している。 「出場時間を足したら、おそらく7試合分しかないはずですよ。そこで2点を取っている。監督としては当然使います。ストライカーとしての確率が高いわけですし、トレーニングの段階から若い選手がカズのことを抜けないわけですから。若手は何をやっているんだ、となりますよね。若い選手たちがカズに勝っているのは、肌の艶のよさくらいじゃないですか」 フォワード陣の軸は昨シーズンの開幕直後に加入し、40試合(2717分間)で18ゴールをあげたイバとなる。モロッコ出身で、現在はノルウェー国籍をもつ190センチ、88キロの巨漢ストライカーとツートップを組む相棒を、その時々のコンディションを見ながら選んでいく。 たとえば徳島ヴォルティスから加入した津田知宏は、33試合(2273分間)で4ゴールをマーク。イバと同じ190センチの大久保哲哉も、途中出場が多い状況ながら39試合(1471分間)で6ゴールをあげた。津田が故障で離脱した夏場にはイバとツインタワーを組み、相手を威圧した試合もあった。 そうしたフォワード陣の組み合わせのなかで、カズも計算されている。昨年6月に強化育成テクニカルダイレクターから監督に就任し、2015シーズンの15位から順位を8位まで上げた中田監督が言う。 「皆さんもおわかりのように、まもなく50歳ですから。じゃあ42試合、すべてで先発として出られるかと言えば、それは無理ですよ。なので、彼のコンディションがいい時期は、彼がもっているストライカーとしての力を発揮できるような使い方をしていきたい。実際に昨シーズンの途中から僕が監督を引き受けてからは、そのような使い方をしてきましたので」