50歳現役の三浦知良はガチでJ2横浜FCの戦力なのか?
宮崎・日南キャンプ中にセレッソ大阪と練習試合を行った際に、カズは左足親指を負傷した。相手選手のスパイクで裂傷を負い、大事を取って4針縫った影響もあって、キャンプを2日残して11日に帰京。横浜市内にあるクラブハウスで、抜糸するまでリハビリを積むことを希望したためだ。 「数日間の休養が取れたと思えばいいんじゃないですか。ちょっと手を抜けと言っても抜かないし、じゃあどうすればいいかと言えば『休め』と命令するしかないですからね」 まるで暴れ馬の手綱を引く騎手の心境だと、中田監督は今回のドクターストップを前向きに受け止めている。恒例のグアムでの自主トレを昨年末、そして年明けと2度、合計で1ヶ月近く消化してきたカズのコンディションは「昨シーズンよりもはるかにいい」と指揮官も太鼓判を押す。 「周りの選手を超えることをやってシーズンに臨んできましたから、強化の立場としては『続けられるのならば頑張りなさい』という目線で見てきました。監督としては『やれよ』ですよね。彼も『グラウンドで死にたい』と言っているし、それでいいじゃないですか。横浜FCという力が、カズをそこまでバックアップしていることは正直言ってあります。だからと言って、かわいそうだからそこ(現役)にいるわけではない。プロの集団として、勝つために僕も彼のコンディションを見て、戦いに挑むわけですから」 誰もが現役との別れを迎えるときが訪れることを理解したうえで、「なるべく近づけないように努力したいよね」とカズが心境を打ちあけたのが、京都サンガからヴィッセル神戸に移った2001年の正月。不断の努力の積み重ねはその後も16年間続き、ついには「もう面倒くさいから、四捨五入して50歳でいいじゃない」と無邪気に笑い飛ばしていた、前人未踏の年齢でのシーズンを迎える。 「もっているし、それ以上に努力の結晶のような感じなので。開幕戦でも何か起こすんじゃないかと」 野村をはじめとするチームメイトも楽しみに待つ開幕戦へ。トレードマークでもある半袖のユニフォームをチーム側にオーダーしながら、レジェンドは最終調整に入っていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)