50歳現役の三浦知良はガチでJ2横浜FCの戦力なのか?
中田監督は2015シーズンから横浜FCのフロント入り。成績不振と体調不良を理由に、スロベニア人のミロシュ・ルス前監督が辞任と再登板を繰り返した同シーズンの終盤にも一時的に指揮を執っている。いわば強化責任者と現場の責任者の両方の視点で、カズを見てきたことになる。 「強化の立場で言えば、シーズンを通してチームのためにどのような形で貢献できるのかを見てきました。たとえば練習開始の2時間前にはクラブハウスに来て準備をしているし、終わった後はそれこそ4時間、5時間かけて体をケアしてから帰る。コンディション作りの面でもそうですけど、24時間で取るべき姿勢を含めて、プロの行動とはどうあるべきか、というお手本を示してくれてもいる。 若い選手たちには、カズを見習いなさいと言ってきました。ただ、次元がちょっと超えている部分もあるので、真似をしようにもついていけない選手もいる。なかには『あの人はあの人でしょう』と、別枠みたいなとらえ方をする選手も当然ながらいました。ただ、そうなるとカズを抜くことはできませんよね」 チームメイトのなかには、Jリーグの黎明期を知らない世代も少なくない。たとえば1991年生まれの25歳で、日本経済大学から2014シーズンに加入したMF野村直輝にとって、カズはテレビを介してしか知らない遠い存在だった。「ドーハの悲劇」も、リアルタイムはもちろんのこと、詳細はよく把握していない。それでも横浜FCでチームメイトとなったカズの背中から多くのものを学んでいる。 「実を言うと大学のときは練習にもぎりぎりで行って、終わったらパッと帰るような感じでした。いまではできる限り早く、クラブハウスに到着して準備するようにしています。カズさんとだいたい同じくらいですね。思っていたよりもストイックというか、そこまでやるんですか、と思うほど準備やケアをしているし、そのうえで練習もフルメニューをこなしていますからね」