鴻海の関氏、シャープには「ワオと思える潜在能力ある」-EVで連携
(ブルームバーグ): 台湾の鴻海精密工業の電気自動車(EV)事業で最高戦略責任者(CSO)を務める関潤氏は17日に都内で開かれたイベントで、同社と協力してEV参入を表明したシャープについて、「ワオと思ってもらえる潜在能力を持っている」と述べた。
シャープは今月、鴻海のグループ企業が開発したEVのオープンプラットフォームをベースとしたコンセプトモデルを公表。試作車は車内をリビングルームの拡張空間ととらえ、自社の人工知能(AI)技術やセンシング技術などを盛り込み、できるだけ早期の実用化を目指すという。
日産自動車で幹部として活躍した関氏は20年に日本電産(現ニデック)に移籍。最高経営責任者(CEO)まで上り詰めたが降格となり、22年に退社。その後、鴻海に移っていた。
米アップルの「iPhone」の受託生産などで成長を遂げた鴻海は昨年12月に乗用車EVの量産を開始。関氏によると台湾で既に販売しており、来年には米国での投入も決まっているという。異業種が連携するEV生産を巡っては、ソニーグループとホンダも合弁会社を設立し、25年に販売する計画だ。
シャープはかつて液晶パネルの生産を拡大させたが、中国や韓国勢との価格競争やパネル市況低迷の長期化で財務が悪化。一部事業の譲渡や堺工場の転用などを含む構造改革を進めると同時に、親会社の鴻海との連携を強化する方針を示していた。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Yuki Furukawa