ボーナスが少なくてショックです。1年目の賞与ってそんなものなのでしょうか。
春に入社した新入社員は、一般的にその年の冬に、他の先輩たちと同様の支給月数分のボーナスをもらえる初めてのタイミングになります。 しかし実際もらってみて、思ったより少なかったという人もいるのではないでしょうか。2023年の冬のボーナスはどのような状況だったのか、気になるところです。 本記事では、全般的な傾向から見た新入社員の賞与について、どれくらいが標準といえるのかを検証してみます。
2023年冬のボーナスの全般的な状況
株式会社帝国データバンク 情報統括部(東京都新宿区)が、2023年11月に全国2万6972社を対象とした調査を行い、1万1396社の有効回答数を得た「2023年 冬季賞与の動向に関する調査」によると、2023年冬のボーナスがあると答えた企業は79.9%でした。 賞与を支給しないと答えた企業は12.2%で、全体の約1割となっています。そのなかでも、繊維・繊維製品・服飾品小売では40.2%、飲食店も32.3%が冬のボーナスを支給しないと答えました。一方、従業員一人あたりの平均支給額が増加したと答えた企業は、24.1%でした。 一般財団法人労務行政研究所の「東証プライム上場企業の2023年年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査」によれば、2023年冬のボーナスの支給水準は全産業187社の平均が80万28円、平均年齢39.0歳、対前年同期比+1.5%となっています。 そのうち、製造業149社の平均は83万1644円、非製造業38社の平均は67万6060円です。また、支給月数は全産業196社の平均で2.56ヶ月、製造業159社の平均で2.66ヶ月、非製造業37社の平均で2.13ヶ月でした。 厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等」によれば、調査産業計の支給事業所における労働者一人平均賞与額は39万2975円、きまって支給する給与に対する支給割合は1.04ヶ月です。 また、支給事業所のうち、ボーナスを支給されていない人も含む労働者一人平均賞与額は32万4597円になります。厚生労働省のデータは、2022年冬のボーナスの金額で2023年のデータではない点を加味しても、一部の大企業の平均と全体の平均では、支給金額や支給月数に大きな隔たりがあるといえるでしょう。