あえてのアナログ…雲を観察して天気を予測 高校の科学部「雲班」雲の組み合わせに規則性」発見【福岡発】
あえての‟アナログ”災害時も役立つ
現在、雲班の気象予測はどのくらい先まで可能なのか?刀根さんは「30分から5時間くらいまでできる」と回答。ならばと試しに1時間後の天気を予測してもらうと「1時間後は晴れが続くんじゃないかなと思います」と即答した。 「高積雲っていう白っぽい雲があって、低いところに雨を降らせることもある層積雲という雲がある。切れ目が見えているので繋がって大きくなるんじゃなくて、そのまま層積雲が無くなっていくんじゃないかなと思います」と分析した。さらに「飛行機雲がすぐ消えるので、それだけ上空が乾燥してるということ。次は晴れになるんじゃないか。雲が少し残る『晴れ』になる」と結論づけた。 果たして1時間後の天気は…?部員らと共に屋上へ上がると、辺りはすっかり暗くなっていたが、空の状況予想通り。1時間前の空と比べると、雨をもたらす層積雲が消え、雲班の予想通りの天候になっていた。刀根さんも予測が当たってほっと安堵の表情をみせる。「結構簡単な方だったので、ちょっと助かりました」と笑った。
‟お天気のプロ”も絶賛「雲班」
高校生たちによる「雲の研究」を‟お天気のプロ”はどう評価するのか? 福岡管区気象台予報課の小川浩司調査官は、「たくさんの写真を撮って、常識にとらわれず、目に見えるものから真摯に天気を予測しようという、その姿勢がまず私は感動しました」と絶賛。さらに「空を見る機会ってデータが増えた分、減ってきているところもあったので、原点に帰らせていただいた。とことんこの研究を続けていただいて天気予報の常識を変えてほしい!」と、雲班を激励し今後の活動に強い期待を寄せた。 ‟お天気のプロ”に気象予測の未来を託された雲班。2年生の池田愛梨さんは「今は雲の種類とか雲を見ないと天気予測が難しい状況なので、誰でも分かりやすいような天気予測ができるようにしていきたい」と将来に向けての抱負を語った。 災害に遭って周りに何もなくても天気予報の常識を変えるため、雲班の部員たちはきょうも空を見上げ続ける。 (テレビ西日本)
テレビ西日本