【陸上】男子400m衝撃の46秒台決着!久保が高2歴代4位46秒69でV 高宮が走幅跳6m23 アツオビン67m05/IH近畿
◇インターハイ近畿地区大会(6月13~16日/大阪市・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)1日目 インターハイ近畿大会優勝者一覧をチェック! 福岡インターハイを懸けた近畿地区大会の初日が行われ、早くも男女3種目で6つの大会新記録が誕生するなど好記録に沸いた。 その先陣を切ったのが男子400m。兵庫県大会覇者の久保拓己(滝川二2)が前半から積極的な走りを見せ、高2歴代4位となる46秒69で優勝を飾った。1997年に山村貴彦(清風・大阪/現東京・城西高教)が持っていた46秒92の大会記録を27年ぶりに更新。2、3位の橋詰竜輝(社3兵庫)、岸本恭汰(洛南3京都)も46秒74、46秒88と従来の大会記録を上回り、上位3人が46秒台に突入するという超高速バトルとなった。 過去、高校生の同一レース46秒台3人は、インターハイ本番では1996年の山梨大会、2013年の大分大会、2019年の沖縄大会の3例がある。だが、地区大会では初の快挙だ。 大会前のベストは、県大会の決勝でマークした47秒59だった久保。それを準決勝で0.15秒更新。決勝は8レーンに入ったことで、「普段は後半型ですが、強い先輩方が内側のレーンだったので、攻めのレースを心掛けましたた」。9レーンの奥村晃大(西京1京都)とともに序盤から一気に加速し、バックストレートを快走する。 200mで奥村を抜き去った久保は、5、6レーンを行く橋詰、岸本をリードして最後の直線へ。残り50mを切ったあたりから橋詰、岸本が徐々に差を詰めて久保に迫ったが、「もともと後半型でラストには自信がありました」と、2人の猛追を見事に振り切った。 「優勝は狙っていましたが、まさか46秒台が出るとは思っていなかったので、タイムはビックリ。大会記録も更新でき本当にうれしいです。前半から積極的に行ったのが好タイムにつながりました」と久保は笑顔で振り返る。 兵庫・塩瀬中3年時に全中400mで3位に食い込んでいる。同じ中学出身で、全中100mを制している1つ上の先輩・年綱晃広にあこがれ、同じ滝川二に進学。「冬季から先輩の背中を追いかけ、1本1本全力を出し切ることを意識して取り組んできました」と話すように、体力、スピードを強化。県大会では200mも21秒22(-0.5)で優勝した年綱に次ぐ2位(21秒45)を占めるなど、調子を上げてこの近畿に乗り込んできていた。 これまでとは異なる前半から飛ばすレースで結果を出した久保。「まずは次の200mでも年綱先輩とワン・ツーを決め、400mは全国でもベストを更新して優勝することが目標です」ときっぱり。今回の快走をステップに、さらにここからギアを上げていく心構えだ。 2位の橋詰も初の46秒台に、「タイムは驚いていますが、順位はまた後輩に負けたので納得していません。全国では、今回以上に積極的なレースでリベンジを果たし、46秒5を切って優勝したい」と力強く話した。 3位の岸本は、「残り120mから切り替え、後半追い込むことができましたが、最後は詰めが甘かったです。それでも46秒台が3人そろったレースを経験できたのは良かった。今回のレースをインターハイにつなげられるようにしたいです」と、こちらも福岡での雪辱を誓った。 女子400mは、今季リストトップの54秒77で走っていた齋藤朱里(北摂三田3兵庫)が、大会記録に0。18秒と迫る54秒11で快勝。女子走幅跳は前回2位の高宮ひかり(大塚3大阪)が4回目に高校歴代10位タイとなる6m23(+0.8)の大会新で制した。 今大会最初の決勝種目となった男子ハンマー投は、注目のアツオビン・アンドリュウ(花園3京都)が今季2度目の67mオーバーとなる67m02のセカンドベストで2連覇を達成。女子円盤投は矢野結衣(添上3奈良)が最終6投目に自己ベストを1m50㎝更新する45m76で2年連続優勝を飾った。 予選、準決勝が行われた男女の4×100mリレーでも好記録が続出。男子は、準決勝2組で洛南(京都)が自校の持つ大会記録を8年ぶりに0.03秒更新する39秒90をマークすると、続く3組で東海大仰星(大阪)がその記録を大幅に塗り替える高校歴代2位の39秒48叩き出して決勝へと駒を進めた。1組トップの関大北陽(大阪)が40秒22、同2位の比叡山(滋賀)が40秒25、2組で洛南に続いた汎愛(大阪)が40秒37、同3位の社が40秒41と、いずれ劣らぬハイレベルだった。 女子も46秒12の京都橘(京都)を筆頭に5チームが46秒台をマーク。男女ともに、2日目に行われる決勝ではどんなドラマが待ち受けているか注目だ。
花木 雫/月刊陸上競技